弊紙編集部は11月中旬から12月上旬に掛けて、健康食品の受託加工・製造企業約220社(有効回答131社)を対象とした調査を実施した。今年増収を達成したのは半数の5 割。前年調査から2ポイント増え善戦した。既存顧客からの受注増、新規顧客の獲得などのほか、海外からの受注も戻り始めている。人気受注素材では、2年連続でNMN がトップに。乳酸菌、コラーゲン、プロテインといった実力素材も票を集めた。一方、足元では原材料や資材などの高騰や、物流コスト、エネルギーコストの上昇などが続く中、各社、様々な対策を講じている。コロナ同様、見通しがつきにくい状況であるが、来年は7割が増収を見込む。
増収達成は50% 不安材料は原材料・資材高騰や人手不足
アンケートでは企業の売上高や増減率、経営状況、市場の景況感、設備投資の現状、人気受注素材、輸出製品のOEMやインバウンドの状況、機能性表示食品制度への対応状況、新型コロナウイルスによる影響、今後の見通しなどについて聞いた。 調査対象の企業の売上高は10億円未満が52 %、10億円から50億円未満が28 %、50~100億円未満が11%、100億円以上が11%だった。
今年の売上状況は、前年調査から2ポイント増え50%が増収になった。減収企業は35%で1 ポイント改善した。今年下期の経営状況に関する質問では、前年調査と同じ33%が「良かった」と回答した。「悪かった」との回答は18%で6ポイント改善。「どちらともいえない」は半数の50%だった。
「良かった」との回答を集めると、既存顧客の受注回復や、新規顧客の獲得を挙げるコメントが多かったほか、「機能性表示食品案件の受注増加」「大手企業の新商品開発が昨年より増えた」「パウチ商品(ゼリー、ドリンク)の売上が好調だった」「国内インバウンド向けの案件が動き出している」など、Withコロナ禍での活動が定着する中、回復に向けた手応えを実感するコメントが多数聞かれた。また、「輸出が増えてきた」「海外案件が戻ってきた」などの回答も目立った。
一方、「悪かった」「どちらともいえない」との回答では、円安などの影響による原材料や資材の高騰や、工場のエネルギーコスト増などを挙げるコメントが多数を占めた。こうした中、各社、原料仕入れの見直し、生産効率の向上、製造コストの削減など、自助努力できる取り組みを行っているが、「取引先に値上げの協力を依頼している」など、納品価格改定の要請をしている事業者は今年上期調査よりも多かった。
また、工場の人手が足りてない状況で、「人手不足」「やや人手不足」を合わせると83%で前年調査から7ポイント増えた。「時給を上げてもパートスタッフが集まらない」「外国人スタッフがコロナの影響で計算できない」といったコメントも聞かれた・・・
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