基本栄養素“ミネラル”強化を謳った商品開発が活発だ。昨今では完全栄養食やプロテイン、シリアル、グミなどの一般食品まで利用の裾野が拡大。様々な食品ジャンルでの商品化が進んでいる。サプライヤーサイドでは、「天然」「マスキング」「溶解性」「胃腸負担軽減」など差別化商品の開発を後押し。「スポーツ」「フェムケア・フェムテック」用途のほか、代替肉の雑味低減や食感改良を訴求する動きもみられはじめた。日本人のミネラル充足率は、カルシウムや鉄の摂取不足が常態化。カルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛などの摂取率向上が課題となっている。ミネラル食品市場の現状を追った。
「完全栄養食」など
ミネラル強化食品続々
“令和元年国民健康・栄養調査”で示された数値と“日本人の食事摂取基準2020”が推奨する数値を比較したところ、充足率の低さが目立つ栄養素は、「カルシウム」「鉄」「マグネシウム」「亜鉛」。現代の食生活はミネラル不足に陥りがちで、通常の食事で足りない栄養素はミネラルを強化した加工食品やサプリメントで補給する必要がある。
日本人のミネラル不足が深刻化するなか、昨年は「完全栄養食」に注目が集まった。日本能率協会総合研究所の調査によると、2021年の市場規模は40億円。3 年後には145億円に拡大すると試算する。
完全栄養食は現在、『完全メシ』(日清食品グループ)や『BASE FOOD』(べースフード)、『COMP』(COMP)、『もがな完全栄養食カレー』(マージェリック)』などが販売されている。『完全メシ』シリーズは、発売4 ヵ月で累計出荷数が400万食を突破。2022年の日経MJヒット商品番付で5位に選出された。カレーや油そば、スムージー、グラノーラを取り揃えており、「日本人の食事摂取基準」が示す33種の栄養素をカバーできる。
『BASE FOOD』シリーズは、パンやパスタ、クッキーといったアイテムをラインアップ。カルシウムやカリウム、鉄、マグネシウムといったミネラルやビタミンのほか、タンパク質や食物繊維などの栄養成分をまとめて摂取できる設計となっている・・・
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