医療機関向けサプリメントの販売が好調だ。本紙が今回取材した医家向けサプリメントの販売メーカー数十社は、いずれも出荷数に関して、前年を超えたという声が聞かれた。2014年、厚労省の「医療機関におけるサプリメント等の食品の販売を明確化する事務連絡」以降、医家向けサプリメントが浸透。また未病の高まりから医師のサプリメントに対する見方に変化が出てきた。ある企業は、サプリメントのセミナーを医師向けに毎日開催し、聴講する医師が増えているという。2022年の医家向けサプリメント市場は、200億円を超え新規参入メーカーも増えている。医家向けルートでは、コロナ禍以降、「エイジングケア」「ロコモ」「メンタルヘルス」などを訴求したサプリメントが見られるようになった。「医家向けサプリメント」市場は、急拡大はなくとも右肩上がりの産業になっている。
保険診療の限界と、自由診療で
病気予防対策の可能性
厚生労働省の統計によると令和3年の国民の概算医療費は、前年比4.6%増の44.2兆円だった。超高齢化社会を迎え、政府は医療費削減を喫緊の課題とし、治療から予防へと動き出している。2014年通達、2015年に閣議決定された「医療機関におけるコンタクトレンズ等の医療機器やサプリメント等の食品販売について」の連絡以降、いわゆるドクターズサプリメントが浸透し始めた。
この流れを受け、内科や皮膚科・整形外科などがサプリメントを積極的に販売するようになった。富士経済によると、医療機関向けサプリメントの2021年の国内市場は206億円となり、2020年の187億円から15%以上伸長した。
また、エイジングケアや健康長寿に関する診察は、保険でカバーするには限界があり、国民の自由診療の見方も変わり
つつある。自由診療のクリニックにとっては様々なサプリメントを提案する幅が広がっている。
「サプリメントは治すものではない」という認識がある一方、症状の緩和、病気の予防、患者のQOLの向上という面で貢献度が高くなっていると言える・・・・・・
続きは、本紙1月18日発行号(1756号)に掲載。定期購読のお申し込みはこちらから
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