珪素(シリカ)商材の市場成長が止まらない。本紙の取材・調査で2022年の市場規模は、7年連続の2ケタ成長となり、小売ベースで300億円を突破したことがわかった。なかでもシリカウォーターのオープンマーケットでの販路拡大が、珪素商材全体の底上げとなった。ヒト試験をはじめ、珪素の健康・美容に対するエビデンスデータの蓄積が進んでいることも追い風となっている。一方で昨年3月、珪素サプリメントの販売事業者が景表法で措置命令を下され、同12月には国センの商品テストで粗悪品の流通、WEBサイトや広告等で関連法規に抵触する事例も見受けられた。急速な市場成長やブームには、粗悪品の流通や悪徳事業者の参入は付き物とはいえ、珪素商材市場の健全な発展のためには、関連事業者の節度あるビジネス活動が求められる。
シリカウォーターの販路拡大、
珪素商材市場の底上げに貢献
大手インターネットショッピングサイトで「シリカウォーター」と検索すると、30品を優に超えるアイテムが販売されている。国内外の天然ミネラルウォーターに含まれるミネラル成分「シリカ(珪素)」を強調したアイテムが多い。シリカウォーターは、健康や美容意識の高い米国のセレブが愛飲しているとの話題がSNSを賑わせ、5年ほど前から日本でも人気が出始めた。現在はネットショップに留まらず、ドラッグストアやスーパーマーケット、コンビニエンスストア、量販店など、様々な店舗でもシリカウォーターを見掛けるようになっている。
シリカウォーターの躍進が、珪素商材市場全体にも追い風となっており、水溶性珪素の濃縮液、サプリメントをはじめ、シリカウォーターを生成できるカートリッジを搭載したウォーターサーバーやスティックタイプの生成器、化粧品類―― など、関連商材の売れ行きも伸長。新規参入企業も相次いでいる。なかでも最近は、モミ殻を由来とする植物珪素のニーズが高まっている。廃棄物であるモミ殻からの珪素抽出は、SDGsの観点からも注目されており、産学官連携で珪素の実用化に取り組む動きも始まっている。
2000年代前半に水溶性珪素『umo®』を上市したリーディングカンパニーのAPAコーポレーションでも、富山県立大学との共同研究の下で開発した国産モミ殻由来の非晶質(アモルファス)珪素『plant umo』の供給を2020年より開始。徐々に供給量が伸びているとのこと。
同社では水溶性珪素の原料・OEM供給事業が好調で、新規取引先も順調に開拓できたとし、2022年も前年比20%増の増収を達成。珪素原料市場で9割以上のシェアを持つ同社の売上伸長率から推計して、2022年の珪素市場は、小売ベースで前年比10%増の約302.5億円と、7 年連続で2 ケタ成長したことがわかった・・・・・・
続きは、本紙1月18日発行号(1756号)に掲載。定期購読のお申し込みはこちらから
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