2022年通期の青汁製品市場(グリーンスムージー/グリーンフード含む)は、前年比約0.2%増の推計1,078億円(小売ベース)——。辛うじて3年連続で市場は回復したものの、成長率は大幅に鈍化、市場の飽和感が否めない状況にある。有機製品や機能性表示食品、無糖飲料タイプなど、売上を伸ばした製品も見られたが、現状のコアユーザー中心の市場には限界が見られる。こうした中、大手企業を中心にZ世代など若年層を含む未利用ユーザーの開拓に着手する動きが加速。春先には大手企業による大々的なPR活動の計画もあるという。中国人団体観光客の来日再開など、明るい話題も多い。2023年は青汁製品市場にとって閉塞感を打破してブレイクスルーとなるのか、その動向に注目される。
原産地表示義務化で、国産原料伸長
参入企業多く、製品OEM事業者も堅調
本紙編集部では1月中旬〜2月上旬に掛けて、青汁製品の原料サプライヤー、受託加工・製造企業、販売メーカーを対象に取材およびアンケート調査を実施。2022年通期の青汁製品(グリーンスムージー含む)の市場動向をまとめた結果、前年比0.18%増の推計約1,078億円となった。
今回、原料サプライヤーや受託加工・製造企業への取材・調査では、2022年3月31日で原産地表示義務化の経過措置が終了したことを受け、これまで以上に国産原料の需要が拡大。国産原料サプライヤーの多くが、2022年は増収と回答した。また有力メーカーや販売企業が、国産有機の青汁製品を投入したことで、有機原料の需要も伸長していることがうかがえた。
青汁製品の原料となる素材は、大麦若葉の1強は変わらないが、今回の取材では、ケール、桑葉、明日葉などの供給量も伸びていることがわかった。日本薬品開発やヤクルトヘルスフーズ、日生バイオが供給する大麦若葉エキス末の需要も高まっている。日本薬品開発の話では、「味の良さや溶けやすさ、加工しやすさなどが評価されている」とのこと。飲料やゼリータイプに適している点も好評のようだ。ただ、ここ数年需要が拡大していたモリンガは、製品市場の拡大スピードに対して生産量過多の状況が見られる。
続きは、本紙2月15日発行号(1758号)に掲載。定期購読のお申し込みはこちらから
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