フルーツビネガー(果実酢)の台頭が健康酢市場全体にシナジー効果を与えている。火付け役となった韓国の「美酢」が、中高年層主体のビネガードリンク市場に、若年女性層を取り込むトリガーとなった。多くの企業がフルーツビネガーを上市する中、「内臓脂肪の減少」をヘルスクレームとする機能性表示食品で、コロナ太りを気に掛ける消費者の心を掴んだ企業も。一方、健康酢の代表格・黒酢も、中高年層を主体とするコアユーザーのリピートに支えられ、飲料・サプリメントとも堅調な動きを見せている。「鹿児島の壺作り黒酢」は、GI登録に続き、昨年3月には文化庁の「100年フード」にも認定された。海外メディアにも取り上げられ、コロナが終息に向かう中、インバウンド需要にも期待される。
ビネガードリンク、ユーザーの裾野拡大
「酢=健康」のイメージは広く浸透しているものの、黒酢のユーザーは元来、中高年層がメインだった。しかし近年は、黒酢に果汁を加えた製品や、果実そのものを発酵した製品など、いわゆる「フルーツビネガー(果実酢)」のカテゴリーが伸長している。業界を牽引する「美酢」シリーズを販売するCJ FOOD JAPANでは、テレビCMで人気の若手女優を登用するなどビネガードリンク市場に、美を意識する若年女性層を取り込むことに大きく貢献。2022年度は希釈タイプだけで年間2,000万本を突破するなど、引き続き好調をキープしたとのこと。
またユーザーの裾野が広がったことで、伊藤園やマルカン酢、内堀醸造といったビネガードリンクの有力企業の多くも、本紙調査に対して増収と回答。2022年度のビネガードリンク市場も成長していることがわかった。実際、本紙が飲料受託企業を対象に実施した調査(有効回答33社)でも、2022年の人気受注素材4位に、酢がランクインした(20面参照)。
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