血管ケア市場が活況だ――。人体最大の臓器とも称される血管の健康を維持することが、様々な疾病の予防に繋がることが近年、明らかとなってきた。毛細血管の形状や血流量を計測・解析する術、疾病との相関性を導き出す研究の進歩は目覚ましく、毛細血管が健康指標の1つになりつつある。市場では血管ケアに有効な素材・商材の上市が相次ぎ、健康食品・サプリメント分野では、血管・血流系の機能性表示食品がこの1年間で約100品増の約350品に。サプライヤー各社からは原料供給量が伸長しているなど、明るい声が相次ぐ。一方、身体の外側からの加温や皮膚刺激により血流を改善させる家庭用医療機器などのNon-Foods分野も2,000億円を超え、なおも成長している。
人体最大の臓器“血管”のケアニーズ伸長
加齢をはじめ、栄養バランスの偏った食事、運動不足、不規則な睡眠時間、喫煙、過度なストレス ――などに起因する身体の酸化や糖化。それにより血管の内皮細胞の機能が低下する、血管の柔軟性が崩れ血流が停滞する、血液が届かず抹消の毛細血管が消える(ゴースト血管)――など、現代人の多くは血管を病む危険性にさらされている。
血管の健康状態が低下することは、動脈硬化に陥り、脳卒中や心筋梗塞、糖尿病、認知症などの生活習慣病から、肩コリ・腰痛、冷え症状まで、様々な疾病の要因となることが明らかとなっている。
「血管は人体最大の臓器」とも称され、全身に張り巡らされた血管を繋ぐと約10万km、血管を構成する内皮細胞の面積は約7,000㎡にもなると言われる。その血管を通る血液は、全身を隈なく巡り、臓器や細胞に酸素や栄養素、ホルモンなどを運ぶと同時に、二酸化炭素や老廃物、有害物質を回収する。さらに、体内に侵入してきたウイルスやカビなどの異物を排除する免疫系を司るなど、生命活動において重要な役割を果たしている。・・・
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