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【オーラルヘルスケア】オーラルフレイル対策市場に注目

フレイル対策の一丁目一番地と言われる口腔内のヘルスケアに注目が高まっている。食事による栄養補給はもちろん、ウイルス・細菌の侵入阻止、会話等コミュニケーションなど、口腔の果たす役割は大きいが、最近は国民の3 人に2 人が歯周病とされる。なかでも加齢に伴い歯周病やドライマウス罹患者は増加する傾向にあり、口腔の虚弱性「オーラルフレイル」対策は喫緊の課題だ。さらに近年の研究では、う蝕(虫歯)と歯周病の口腔2 大疾患が、糖尿病や心疾患、がん、アルツハイマー病などのトリガーになるとの研究も報告され、政府も健康寿命の延伸を実現する施策の1 つとして「国民皆歯科検診」義務化に向けた検討を始めている。フレイル対策、生活習慣病予防、健康寿命延伸の観点からもオーラルヘルスケアの重要性は高まっている。

ブルーオーシャン市場に健食業界も注目

 オーラルヘルスケア市場への関心が高まる要因には、健康食品業界にとってブルーオーシャン市場である点が大きい。健康産業界でフレイル対策といえば、ロコモティブシンドロームやサルコペニアをターゲットにした市場が先行し、群雄割拠のレッドオーシャンとなっている。
一方で、口腔領域はこれまで、歯ブラシやハミガキ剤、マウスウォッシュ、フロスなどの非食品が多くを占め、歯の再石灰化を図るキシリトール入りガムなど一部食品は見られるものの、健康食品によるケアはあまり重要視されてこなかった。
ただ近年の研究では、う蝕と歯周病の口腔2 大疾患が、糖尿病や動脈硬化、心筋梗塞をはじめ、アルツハイマー型認知症の原因物質とされるアミロイドβの増殖を引き起こすことが明らかにされている。歯周病菌の一部が胃を通過して腸管に入り込み、腸管内の細菌叢を乱すことで、大腸がんの原因になること、がんの転移を促進すること、さらには食道がんや関節リウマチなどの病態とも関連しているとの研究データも報告されている。また、腸内環境と唾液腺との相関関係も明らかになるなど、口腔内の細菌叢バランスの重要性にもスポットが当たり始めている。

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