高齢者の健康寿命が改善傾向になっている。かねてより日本政府は、超高齢化社会が進む中、医療費逼迫を解決すべく、未病対策を強化。高齢者の介護予防、骨粗鬆症予防の啓蒙など、産学官で様々な取り組みを実施してきた。健康食品業界でも、高齢者向けに関節の痛み軽減、骨強化や筋肉量の維持をサポートする素材開発や製品の発売が活発になっている。骨と筋肉は相関関係にあり、フレイル、ロコモ対策にも骨・筋肉の維持が重要とされている。高齢者のヘルスリテラシーも高まっており、アクティブシニア向けのヘルスケア市場は拡大傾向が予想される。
健康長寿延伸、一定の成果一方でフレイルは増加
内閣府が今年6月末に発表した『高齢者白書』によると、65歳以上の体力テストの合計点は向上傾向で、健康寿命は延伸していると報告した。同白書は、65歳以上の男女2,414人にアンケート調査を行い、その結果をまとめたもの。「健康について心がけているか」の問いでは、65~74歳までの男女89.9%が「心がけている」と回答。また、「健康について日ごろから心がけていること」の問いでは、女性は「栄養のバランスのとれた食事をする」が最も多かった。この層はアクティブシニアと呼ばれ、日頃から運動や栄養管理に気を付けており、ヘルスリテラシーが高い。普段から、健康食品やサプリメントを摂取する人が多いこともわかっている。一方で、この世代は「フレイル(虚弱)」と呼ばれる高齢者特有の身体的特徴が増えるケースも課題となっている。フレイルは高齢になるに従い現れる状態で筋力や心身の活力が低下する。「筋力や骨密度の低下により体がしぼんでいく症状」と説明する専門家もいる。ただし、病気ではなく、健康体と要介護の中間に位置する状態を指す。
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