ここ数年の健康酢市場は、主力の黒酢は横ばい微減で推移。黒酢飲料やサプリメントで一部順調な企業が見られるものの、中高年層のコアユーザーによるリピートが主の市場の中、大きく販促費用を掛ける企業も少ないのが現状だ。近年市場を牽引しているビネガードリンクは、食酢の飲用経験者が5割を超える中、引き続き右肩上がりをキープ。ただ今回の取材では、参入企業の増加を受け、競争が激化している様子もうかがえた。こうした中、「内臓脂肪の減少」「疲労回復」などの表示が可能な機能性表示食品の開発が活発化。昨年1年間では30品超が受理され、累計受理品は170品を超えている。食酢の飲用経験者の多くは何らかの健康機能を求めており、機能性表示食品が健康酢市場のさらなる成長の起爆剤となるのか、その動向に注目される。
黒酢市場は横ばい微減で安定
健康酢の代表格「黒酢」は、鹿児島県霧島市福山町界隈で製造されている「鹿児島の壺造り黒酢」など、壺や甕による静置発酵法で製造されるものから、大手メーカーによる工業生産された黒酢まで多岐に亘る。液体黒酢は飲用や調味料として使用されており、リンゴなど果汁を加え飲みやすくした黒酢製品なども数多く流通する。また液体黒酢をエキス末化した原料、黒酢もろみを粉末化した原料は、サプリメントに使用されている。
黒酢市場はここ数年、横ばい微減で推移。ミツカンの黒酢飲料やえがおのサプリメントが市場をリードする。えがおは3月、『えがおの黒酢シリーズ』が、黒酢健康食品通販市場で16年連続売上日本一を更新したと発表した。同シリーズは、鹿児島県福山町の壺造り黒酢をはじめとする国内製造黒酢を使用。濃縮技術を駆使し、黒酢由来の豊富なアミノ酸に加え、黒酢由来の乳酸菌「L.ブフネリ菌」を配合している。黒高麗人参や黒ニンニク、ショウガなど現在6アイテムを展開しており、2023年2月時点でシリーズ累計1億袋を突破している。。。
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