小林製薬 紅麹関連

小林製薬の紅麹問題 影響拡大

小林製薬の紅麹問題による影響が広がっている。厚生労働省は対応を政府一体的に行うため、紅麹使用製品対策省庁間連携室を設置。また、焦点となっている「プベルル酸」を含めて、原因物質の特定に向けた検証に乗り出した。消費者庁ではすべての機能性表示食品を対象とした点検作業に着手している。問題は現在も進行中。これまでの経緯をまとめた。

小林製薬は3月22日、機能性表示食品「紅麹コレステヘルプ」の摂取による腎疾患等の健康被害報告を受けて、紅麹関連製品を自主回収すると発表した。同社が「意図しない成分」が一部紅麹原料に含まれている可能性があることが判明。原料販売を行っている小林製薬バリューサポートは同日、対象の紅麹原料を自主回収することを発表した。消費者庁は同日付で、小林製薬に対し、4月5日までに安全性に関する科学的根拠の再検証の報告を求めた。

翌週の3月26日に消費者庁は、すべての機能性表示食品を対象に、健康被害情報の有無と、健康被害情報の収集体制を点検することを決定。28日、約1700の届出者に対し、4月12日までに回答するよう依頼する事務連絡を行った。結果は迅速に集計し、公表する方針。

3月27日には、厚労省、消費者庁、農林水産省、国税庁による「紅麹使用製品への対応に関する関係省庁連絡会議」が設置。さらに同日、消費者庁は「紅麹使用食品への対応に関する消費者及び食品安全関係連絡会議」を開催、対応を協議した。

一方、厚労省は3月28 日、延べ225 社を対象に、小林製薬の製品の紅麹と同じ原料を用いた製品について、① 100㎎以上の同社製紅麹を含む製品、②過去3年で健康被害報告があった製品を確認することを決定。29 日、同社が直接紅麹原料を卸した52 社からは、この2点に該当する結果は得られなかったと発表した。残る173社に対しては、4月5日までの報告を求める。厚労省では今後、原因究明に向けて、国立医薬品食品衛生研究所が理化学検査を行い、小林製薬が予定しない成分としてピークが認められた「プベルル酸」を含めて、原因となり得る物質について検証を進める。同社は同日、今回の件に関する記者会見を行い、経緯や健康被害の状況などを説明。原因物質の特定に関して、行政の力を借りながらスピーディに行っていくとした。

3月29日、厚労省内には「紅麹使用製品対策省庁間連携室」が設置された。また同日夕刻には「紅麹関連製品への対応に関する関係閣僚会合」が開催され、林芳正官房長官は消費者庁に対し、5月末までをめどに、機能性表示食品制度の今後のあり方を検討することを求めた。

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