食事による栄養補給はもちろん、ウイルス・細菌の侵入阻止、会話等の社会的コミュニケーションなど、口腔機能の果たす役割は大きいが、最近は国民の3人に2人が歯周病とされる。加齢に伴い歯周病やドライマウス罹患者は増加する傾向にあり、口腔の虚弱性「オーラルフレイル」対策は喫緊の課題だ。さらに近年の研究では、う蝕(虫歯)と歯周病の口腔2大疾患が、糖尿病や心疾患、がん、アルツハイマー病などのトリガーになるとの研究も報告されている。政府も健康寿命の延伸を実現する施策の1つとして2025年から「国民皆歯科健診制度」の導入を予定する。フレイル対策、生活習慣病予防、健康寿命延伸の観点からもオーラルヘルスケアの重要性が高まりつつある。
「オーラルフレイル」対策が
喫緊の課題に
総務省統計局によると、2023年の日本の総人口に占める高齢者人口の割合は、過去最高の29.1%となり、75歳以上人口が初めて2,000万人を突破、10人に1人が80歳以上と、超高齢社会の真っ只中にある。高齢者によるフレイル問題が深刻化の一途を辿る中、国を挙げて「健康寿命の延伸」「治療から予防」への取り組みが推進され、予防分野を担う健康産業界の果たす役割は、ますます大きくなっている。
こうした中、近年はフレイルの一丁目一番地として「オーラルフレイル」への注目が高まっている。食事を摂ることは生命維持の根本であり、残存歯数や咀嚼力、嚥下機能などの歯科口腔機能の衰えは、十分な栄養を摂取できない、口から入るウイルスや細菌に対しての防御ができない、ヒトとの会話を避け孤立する――など、フレイルに繋がる危険性が高いと、専門家は警鐘を鳴らしている。
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