健康産業新聞(2・9日付)で報じているが、昨年の家計調査における健康保持サービス品(錠剤、カプセル状の健食)の購買状況を示す家計支出の12月分がまとまり、年間では一昨年比で12・5%増という驚異的な回復となったことが総務省の家計調査報告で分かった。改めてサプリメントについての需要の力強さが実感される結果となった。この調査は2人以上世帯を対象にしており、単身世帯の数字が公表される(健康産業新聞、速報最新号)と多少調整が必要であるが、概ね2桁の伸びという状況は変わらないものと思われる。
本紙の健康食品市場調査では、「昨年の健康食品市場の伸びは6%」であることから、大幅な回復傾向が総務省調査でも確認されたということか。興味深いのは不景気の時は医療関係と健康食品関係の支出が拡大することだ。今回は景気回復期ではあるが、逆に景気はまだまだ回復しないとみるべきなのか。それはさておき、健康食品の家計支出額だが、年間一世帯あたりで1万4434円で前年比12・5%増。過去最高の05年の1万6921円には届かなかったものの、一挙に06年水準まで戻したことになる。
注目したいのは、表示規制や販売規制が進められる中でも、旺盛な消費意欲が市場を押し上げていることだ。東京都や兵庫県、北海道の調査でも半数近い消費者がサプリメントを利用している実態が明らかで、しかも、一部の栄養学者や消費者代表のサプリ批判をよそに、「健康や食事に関心のある人ほどサプリメント使用との相関性が高い」というデーターもある。また、国民栄養調査でのビタミンなどの充足率にはサプリメント利用者が貢献しているという皮肉な分析もある。
健康産業新聞ではこうした事実をベースに、「健康食品は生活必需品」であり、「健康食品はソリューションビジネスだ」と分析しているが、そうしたことを裏付けるような数字が相次いでいる。いずれにしても、今後、高齢化社会の進展で、一層拡大が見込まれるサプリ市場の立ち位置をどのようにするのか、継子扱いするには存在感が大きく、しかも、今回のデーターに見られるような急回復の背景に、今後の成長トレンドを見た時に、サプリメントの制度化は、消費者にとっての必需品ゆえに必要であり、急がなければならないということである。