13日より香港で開幕したコスモプロフ・アジア2024。世界中の美容の最新トレンドが集結し、会場は3日間熱気に包まれ盛況裡に終了した。アメリカやフランス、ドイツ、スイス、トルコ、スイス、シンガポール、トルコ、オーストラリア、韓国、日本がパビリオン出展した。
なかでも目立ったのが、韓国パビリオンをはじめとした韓国メーカーの出展数の多さ。500社近い企業が参加し、初日に行われた「コスモプロフアワード」では多くの製品が最終選考に残り、複数の部門で受賞するなど存在感を示した。
そのうちの1社が「KOCOSTAR」ブランドを手掛けるFirstmarket社。受賞した「YELLOW CREAM PATCH」は、ニキビや吹き出ものに対して塗って乾かす新概念のパッチクリーム。現在市場に流通している商品は、シールで貼り付けるパッチタイプのものが多く、An Jong Jin氏は「パッチタイプは接着成分が多く、有効成分の配合が少ない」と指摘。さらに接着成分が肌ダメージを促進する可能性もあるという。新開発した同品は、セルロースを配合し、クリームの塗布後、セルロースが乾き、膜となって肌を保護する仕組みとなっている。有効成分としてナイアシンアミド、サリチル酸、硫黄、ティーツリー葉エキスなどを配合。これらの成分が肌に浸透し、肌ダメージへ効果的に働きかけるという。パッチレスの画期的な商品設計が評価され、コスモプロフアワードを受賞した。同品はすでに日本のDgSで展開が決定しており、近く販売がスタートする。
このほかブースで目立ったのがSTEAM CELL(ヒト幹細胞)を配合した製品だ。MAMA QUEEN社は、医療用途で使用される品質のヒト臍帯血幹細胞を使用したクリームなどを展示。「エクソソームの効果により肌の成長因子を促進する」とアピール。クリームのほかにアンプル瓶に入れた美容液も人気だという。肌の休眠状態にある幹細胞にフォーカスしたのがSkinCure社。独自成分となる「EMortal™」は、休眠状態の幹細胞を刺激し、コラーゲンの分解酵素となるコラゲナーゼの活性を阻害、真皮線維芽細胞の増殖とコラーゲン生成を促進するという。
SONIMEDI社は幹細胞を配合したヘアケア製品をアピール。新製品の「Scalphil NeuroMax Pore Balance」は、幹細胞由来の細胞培養液にNMN、カフェインなどの成分を配合。7種類の植物オイルも配合しており、頭皮の状態を改善する。同社はすでに日本へも進出しており、メインプロダクトとなるマイクロRNAを配合した「NEURO MAX BOOSTHER」はTVショッピングで販売しているという。James Lee CEOは、「マイクロRNAを配合した商品が人気。OEMにも数多く対応している」と説明。ブースには来場者の人だかりができていた。
シートマスクやパッチ製品の製造を手掛けるKOVASでは、「Hydrogel Patch」などを展示した。同社シニアマネージャーのSubin Yi氏は「水分を多く含んでおり、柔らかな使用感が特長」とし、TDS(Transdermal Delivery System)技術を導入しており、効果的かつ安全に有効成分を肌の中に伝達することができるという。ゲルを含む不織布が急速な水分蒸発を防ぎ、有効成分が長時間安定的に伝達できるとしている。
地元香港からは、BioHealth Plus社が出展。「Trichoderm」シリーズのヘアケア製品を案内した。育毛ケアシャンプー、白髪染めトリートメントなどを出品。エグゼクティブディレクターのRenato Dell’Orto氏は「これらの製品は日本で製造している。 ヘアカラー剤や化学染料、シリコン、パラベン、SLSなどは不使用。育毛ケアは男性向け女性向けで処方を変えている」と説明。独自「TrichoCell」などを配合している。
また来月より、長崎大学が研究開発した「びわ茶混合発酵物」を配合した新製品「Suzumi」を発売すると発表した。