アスリートにとってサプリメントはパフォーマンス向上など重要なツールとなっている。同時に問題視されるドーピング違反は、海外選手が圧倒的に多いものの、日本人選手が違反を起こした場合は、罰則に加え、メディアに取り上げられる機会も多く、選手生命にも関わるリスクを孕む。そうした中、安全にサプリメントを摂取するために、アンチ・ドーピング(AD)の需要が高まっている。サプリメントメーカーや原料、受託企業がAD認証を取得する件数も年々増加。アスリート向けのためだけでなく、製品の安全性・品質を担保することを目的にAD認証を取得するケースも少なくない。
アスリートの半数以上がサプリ摂取、7割AD意識
体力や精神力の限界まで競技に挑戦するアスリートは、日常の食事だけでは補えない栄養素を補給する、競技パフォーマンス向上に繋げる、疲労回復のために、サプリメントを活用するケースが増えている。プロテインやビタミン群、BCAA等のアミノ酸をはじめ、多くのメーカーから多種類のスポーツサプリメントが発売されており、その市場は年々拡大基調にある。(公財)日本スポーツ協会 スポーツ医・科学委員会が2024年3月に発表した『スポーツ現場におけるサプリメントの利用状況と活用コンセンサスの作成』(25面に関連記事)によると、アスリート439人中、「サプリメントを使用している」人は、228人と半数以上だった。また、「サプリメントが必要な状況」の質問では、回答が多い順に「運動やスポーツをする時」が112人、「筋力をアップさせたい時」が106人、「疲れた時」が98人だった。今や、サプリメントはアスリートのパフォーマンス向上にとって必須のツールとなっている。
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