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【カキ】抗疲労のニーズ増で若年層に商機

長年に亘り健康食品業界で利用されている海産物由来の伝統素材・カキ。栄養成分を豊富に含み、“海のミルク”“海のスーパーフード”とも呼ばれる。馴染みある食材として認知度が高い上に、優れた体感性から活力・スタミナ向上や健康維持を目的としたユーザーに支持され安定市場を形成する。店販チャネルでは、定番アイテムになり、機能性表示食品も流通。近年は、伝承的薬効にエビデンスが備わり、スポーツ領域のほか、若い世代に抗疲労サポート商材としての利用が進むなど、新たなユーザー獲得にも繋がっている。また、カキは亜鉛や鉄などのミネラル類を含み、フェムケア商材としても注目に。伝統素材・カキが活躍の場を広げている。

栄養の宝庫、“海のミルク”原料各社、抽出法などで差別化

カキは、クロム、マグネシウムなどのミネラル類、ビタミンB、Eをはじめとしたビタミン類、グリコーゲン、タウリンなどを豊富に含む。なかでも、体内で作ることができない必須微量ミネラル・亜鉛の含有量は食品中で突出しているほか、タウリンもトップクラスの含有量を誇る。一方、「国民健康栄養調査(令和5 年)」で示された栄養素等摂取量の数値と「食事摂取基準2020」で示された推奨量を照らし合わせると、亜鉛は、成人男女の各世代で摂取不足に。鉄も若い世代の男女で摂取不足がみられる。こうした調査からも栄養価の高いカキが再評価されている。健食市場で流通する原料は、各社による製法の違いはあるが、カキを抽出・濃縮したものが大半を占める。国内では、瀬戸内海、北陸産、三陸産などのカキを使用。県別生産量では、広島県が最も多く、約1万7,800 tで国内の6割超を占める。県によると、「今シーズンの始め頃は、海水温が高くて生育が進まなかったが、年が明けて生育状況が良くなっている。順調にいけば、昨年並みの生産量が見込めそうだ」と話す。

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