5年ぶりに改訂となった「日本人の食事摂取基準(2025年版)」において、食物繊維の目標量(推奨量)が1日25gに設定された。食物繊維の摂取不足は生活習慣病の発症に関連するという報告が多いことを受け、目標量を設定したという。こうした中、ブランドオーナーでは「お米に混ぜる」「野菜と穀物のミックスサラダ」「冷凍食品」など、生活にとり入れやすい摂取方法の提案を強化している。
日本人の食物繊維摂取量 目標量に対し10g不足
日本人の食物繊維摂取量は右肩下がりで推移している。1955年は22.5g/日だったものの、2018年は15g/日に減少。食事摂取基準の目標値と比較して約10gも少ない状況となっている。食品別でみると、穀類の減少幅が大きい。比率は44%(1955年)から20%(2018年)に減少。食物繊維の種類別では、水溶性食物繊維が6.1g/日から3.4g/日に半減している。こうした中、「便通異常症 診療ガイドライン2023」では、食物繊維の質を重視することを明記した。とりわけ発酵性食物繊維の摂取が重要としている。「食物繊維の機能性を考えるうえで、発酵性・難発酵性の性質を考慮することが重要だ」。こう語るのは、大妻女子大学の青江誠一郎教授。通常の食生活で摂取できる発酵性食物繊維について、押麦やオートミール(β-グルカン)、発芽玄米や全粒小麦(アラビノキシラン)、ブロッコリーやニンジン(ペクチン)、ごぼうやたまねぎ(イヌリン)、ジャガイモや茹でほどいも(難消化性デンプン)、真昆布(アルギン酸塩)があると説明。「穀物は発酵性食物繊維が多く含まれている。発酵速度の違いについても、大腸で発酵する部位(近位結腸・遠位結腸)に影響を及ぼすことがわかっている」という。大麦の機能性研究では、「血清コレステロール正常化」「食後血糖上昇抑制およびセカンドミール効果」「満腹感の持続とエネルギー摂取量の調節」「長期摂取による内臓脂肪低減」「腸内細菌叢改善」のエビデンスが蓄積されている。昨年は大麦ご飯の摂取による感染防御効果に関する論文が報告された。
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