2024年の機能性糖質・甘味料市場は、ここ数年の勢いは鈍化したものの、各社の売上は、軒並み前年比を超えたことが今回の取材でわかった。砂糖代替甘味料は、コロナ禍で一気に裾野を広げ、現在はリピーターが市場を支えている。また、昨年から今年に掛けて、同業者による合併やコラボなど、新たな動きも見られる。砂糖を原料とした機能性糖質の研究が進展する中、腸内環境改善、持久力向上、疲労回復、オーラルケア、血糖値対策向けの製品上市も進む。機能性糖質・甘味料は、砂糖の甘みを活かし、糖質の機能を向上させるなどの研究開発により、健康食品から一般食品まで利用拡大が続く。
製糖メーカーによる合併とコラボで新たなフェーズへ
精糖工業会が今年3月に発表した砂糖関連の市場統計によると、上白糖の市場価格は1キロ当たり276円と前年の248円から値上がっており、2021年の193円と比較すると40%も値上がりしている。一方、
2023年の国内精製糖生産量は、151万tと前年の152万tから減少しており、2019年の157万tから年々減少が続いている。また、日本の砂糖消費量は、1972年の1人当たり30kg/年だったのに対して、2023年は14.8kgと半数以下に。製糖メーカーの話では、砂糖の価格がこれ以上下がる要因はなく、消費量も大きな増加は見込めないと話す。砂糖消費量減少の要因は、国民の健康志向によるもの。砂糖の過剰摂取による血糖値上昇、肥満、糖尿病などの健康リスクに対する有識者の見解がメディアで報じられ、砂糖に代わる甘みの需要が高まっている。