300億円市場の到達へ、上々のスタート! 25年上期の水素商材市場も好調をキープしたことがわかった。25年上期の経営状況では、過半数のメーカーが「良かった」と回答。通期の見通しでも7割が経営良好および増収を見込む。国内では、フィットネスジムやエステサロン、理美容室などが、水素商材の導入に関心を持ち始めており、卓上型の水素吸入器にもチャンスが巡ってきた。水素サプリメントや水素化粧品などは、大手・有力企業による新規参入の話も尽きない。メイド・イン・ジャパン製品を求める海外市場も狙い目となる。25年も水素商材市場から目が離せない。
水素商材市場、2023年がエポックメイキング
2024年通期の水素商材市場(メーカー出荷金額ベース)は、前年比12.4%増の約265億4,000万円で、2年連続で市場は2ケタ成長となった。2023年3月に業界にとってエポックメイキングとなる3つのニュースが発表されたことが要因だ。1つ目は、東京歯科大学の鈴木昌教授(慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート特任教授)と慶應義塾大学医学部救急医学教室の本間康一郎専任講師、同内科学教室(循環器)の佐野元昭准教授らが、国際的な学術誌『eClinical Medicine』に発表した「水素吸入療法が院外心停止患者の救命および予後の改善に効果—全国の告—」という論文。二重盲検無作為化比較試験で、院外発生の心停止患者に体温管理療法に加え、2 %水素添加酸素の吸入を行った結果、90日後の生存率が、従来治療の61%に対し、水素吸入療法では85%に上昇、また、後遺症なく回復した人の割合も21%から46%に上昇することが統計学的に確かめられたという成果が、TVをはじめ様々なメディアに大きく取り上げられたことで、水素吸入療法への注目が高まった。