生産・加工地図に異変、「消費は好調」のデーターも
東日本大地震の経済的な影響については、経済成長率の低下予想など深刻な指摘も少なくないが、健康産業も例外ではない。コラーゲンや海洋由来の原料の入手、加工工場や、販売網の被災など影響は各所に出ている。加えて原発問題をきっかけに中国などに向けた輸出品については、福島から生産・加工拠点を離して欲しい(速報4・12)という要求も出るなど、製造加工拠点が西に移行する状況もある。実際、東海・中部・西日本でも、能力的にはフル稼働に近いケースもあり、充分な対応が出来ないなどの問題も出てきている。また、健康食品だけではないが、包装資材の生産拠点が被災したことから、供給が滞り、その影響も広がっている。いずれも4月中の復旧を目指しているが、夏場の電力問題など不透明な要素もあり、各社とも頭を悩ませている。
一方、一大消費市場としての東日本の状況だが、把握が難しいが、被災の度合いが軽度な人々も多数支援に入るなど TVや新聞報道とは異なる力強さも生まれている。が、総じて、回復には時間がかかると見られる。こうしたなかで、東北以外でのサプリメントの消費がどのように動くのか、関係者は注目している。流通経済研究所がまとめた資料では「CVSでは11日の震災当日に首都圏での販売指数が高くなり、12日以降では郊外のCVSの売上げ指数が上昇した」としている。背景にはスーパーマーケットの商品の品薄状況が影響したと分析している。ちなみに、11日にはカップ麺(4.1倍)、米飯加工品(6.0倍)、調理済みカレー(5.7倍)といった具合。日常品でも電池(11.3倍)、肌着(4.0倍)といった具合で、「機能食品が含まれる健康食品の販売では14日に5.7倍に達した。保存食としての側面での需要が増えた」とも。各メーカーへの取材でも、「売上げが落ちた」とする声もないではないが、「販売は堅調」とする声も少なくない。こうしたなかで同研究所のサプリメントの指標がどのようにその後に影響したか、近く公表される総務省の調査結果に注目が集まるところだ。