パソコンを利用したインターネット通販の利用は夜間に集中していることが、(社)日本通信販売協会がこのほど発行した「通信販売ファクトブック2011」でわかった。コアタイムは21~23時台。深夜0~2時の利用も、昼間より高い水準になっている。24時間利用可能なネット通販で、消費者は“夜活”を行っている。ネット通販の商機は夜にある?
ファクトブックは、通販協が行っている調査を整理したもの。数年間のトレンドを俯瞰することを目的とする。通販市場は底堅い成長を続けており、09年度の市場規模は4兆3,100億円。00年度に1.7%だった小売業に占めるシェアはじわり増加、09年度は3.3%となった。
09年における通販の商品購入率(個人)を見ると、健康食品は21.7%。女性は23.4%、男性は18.9%だった。
ネット通販の利用状況では、昨年に健食を購入したのは22.7%だった。
また、20~50代のネット通販利用者が平日にパソコンのネット通販をよく利用する(商品を探したり選んだりするなど、購入に至らないケースも含める)時間帯を調査。1日を3時間ごとにわけて、「よく利用する」時間帯を複数回答でチェックしてもらった。
その結果、ネット通販の利用時間帯は夜間に集中。6~17時台はそれぞれ10%未満だが、18~20時台に13.1%となり、21~23時台のピーク時には48.6%に跳ね上がる。深夜0~2時台の利用も19.4%と高い水準にある。パソコンによるネット通販の利用は、夜間に集中していることが明白になった。男性・女性ともに夜間の利用が多いが、女性は午前中にも活用している。9~11時台の男性の利用は3.5%にとどまるが、女性は16.3%。性・年齢によって、利用傾向にはやや違いがみられる。
土日の利用は平日ほど極端ではないが、同じく夜間の利用が多く、21~23時台がピークで35.7%となっている。一方、土日は「決まっていない」が40%で平日より10ポイント高く、自由にネット通販を楽しんでいる様子がうかがえる。
ネット通販は24時間利用可能な点が売りだが、こうした傾向は、サイトの更新時間などの参考になりそうだ。
「今後、ネット通販をもっと積極的に利用したい」に「とてもあてはまる」のは18.5%。「ややあてはまる」の44.9%を足すと63.4%に上る。ネット通販の利用意向は依然として高い水準にある。
また、総務省が16日公表した「明日への統計2011」によると、ネットで購入した商品・サービスへの1ヵ月の支出総額の平均値(全世帯)は、02年は1,076円だったが、09年は3,736円と約3.5倍に増加。09年の支出額を世帯主の年齢階級別にみると、40~49歳が7,366円で最も多く、30~39歳が7,070円、30歳未満が4,894円と続く。4兆円を突破した通販市場において、今後もネット通販は成長が見込めそうだ。