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本紙夏期特別号にご期待を

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 震災から何を学ぶか――。(社)日本栄養士会の中村丁次会長、管理栄養士の足立香代子先生、(社)日本通信販売協会の宮島会長、(財)日本健康・栄養食品協会・加藤常務理事を迎えての緊急座談会が行われた。

 今回の震災支援で、支援物資が届けられても被災者の栄養状態は悪く、深刻な栄養失調状態が広がっていて、サプリメントなど栄養補給の視点から支援することが重要だという。だが、サプリメントを含む特殊な食品は、栄養士などのサポートで適切な配給が必要であった。多くの著名人や調理の専門家が駆けつけ炊き出しなどを行う光景が広がり、栄養的に満ち足りた印象が伝えられたが、「食べること」と「栄養補給」が同義語で理解され、深刻な栄養アンバランスの状態が進行していることの理解が遅れたこと。若者などでも貧血が広がっていたり、食欲不振でさまざまな症状がでているなど。

 戦後我が国の復興に際して、米国の支援が大きかったが、国民栄養調査は(何が不足し何が足りているかの)支援のための調査としてスタートしたこと。その調査に基づき、粉ミルクなどの食糧援助が行われたと。科学的な調査が先にあり、その上で支援が合理的に行われることの重要性を教えているが震災ではこうした教訓が生きていないこと。結論的には、早期の栄養調査とそれに見合う指導、栄養士などを通じたサプリメントの提供に合理性があると。栄養士会はそうした震災対応のチーム作りを検討しており、日健栄協など産業界もこれに協力していくことで、座談会は終了している。


 震災対応が悪いという声は随所で聞くが、本質的な議論は余り聞かない。座談会を通じて、国の栄養政策のあり方、栄養士やサプリメントアドバイザーの役割、産業界の使命、報道の責任などがよく分かった。政府関係者、防災大臣が購読して勉強し、政策立案していただきたいものである。

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