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真逆のエビデンス情報

 本紙速報で「ビタミンサプリの継続摂取、女性で循環器系疾患リスク減」と報じた国立ガン研究センターの論文発表は、日経夕刊紙(8・25)で「ビタミン剤長期摂取の女性、癌リスク上昇」と報じた。ちなみに時事通信社は「ビタミン摂取、癌リスク低減=女性のみ、生活習慣も重要」と報じた。詳細は健康産業新聞「話題追跡」に掲載されているが、要点を紹介する。
 
 コホート研究は1990年から94年に全国9地域の40~69歳の男女、循環器系疾患を発症しなかった6万人を06年まで追跡調査するという大掛かりなもの。追跡期間中4501人が何らかの癌、1858人に循環器系疾患の発症が確認されたというもの。調査対象は5年間に亘り①サプリを摂らなかった、②開始時は摂っていたが5年後は摂らなかった、③開始時は摂らず、5年後は摂った、④ずっと摂っていた、の4グループで行われた。
 その結果②で17%、③で24%、全がんリスクが上昇したとしている。一方、循環器疾患では④でリスクが40%減少し、特に脳梗塞で有意に発症リスクが減少したと。また、公表された図によれば④の女性では全がんで8%循環器系で40%のリスク低減があり、時事通信はこれをもとに、「ビタミン剤の摂取を続けた女性ではガンや循環器系疾患の発症リスクが低減する」と報じた。一方日経では、①に比べ、②では発症リスクが17%高かったというデーターに基づき「ビタミン剤長期摂取の女性、がんリスク上昇」と報じた。ただ、概要版を見ると②のグループは、他のグループに比べ肥満者や喫煙者、高血圧や糖尿病治療の割合が高く、身体且つ同僚が少ないなど、不健康な特徴を持つと指摘している。


 調査から見えてくるのは、サプリメントの摂取が循環器系疾患には効果的であり、食生活など健康に注意することで、とりわけいい結果をもたらすと読めるのではないか。ちなみに④は肥満者が少なく健診受診率が高く、果物や食事からの葉酸や・ビタミン摂取が多いなどの特徴を持つとしている。
 医療はセフティーネット、健康はモチベーションであるとの指摘どおり、サプリメントの利用者が健康への関心を高めることで、更に健康になるという構図が見えてこないか。

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