国勢調査確定値によれば、1950年代に8000万人だった我が国の人口は、2010年は1億2500万人と、ピーク時の1億2700万人から減少に転じた。出生率の低下が根源であるが、2050年に1億割れ、8000万人の低位予想もある。人口だけで見れば1950年代への逆戻りである。人口減少は国民総生産の低下(国力の低下)につながると経済学者は指摘するが、正しく日本の状況を見渡せば、M&Aで市場の整理統合が進んだり、わが国の成長のシンボルであった家電大手のTV事業からの撤退など、深刻な状況は国力低下を物語っている。
国勢調査確定値は、もう一つの現実も投げかけている。65歳以上の人口の動向である。人口減少が進むなかで、65歳以上の人口に限れば、2900万を超え、3000万人に手が届くまで増加している。人口減少が始まる中、総人口比で四分の一、23%というのはよく分かる数字であり、推計では、更に2割ほどの増加も見込まれる。65歳以上が7%超で高齢化社会、14%超で高齢社会、21%増で超高齢化社会とすれば、25%まで駆け上る我が国の状況はどのように定義すればよいのか。そして、いまや高齢化は世界一で、GDPは中国に抜かれても、ここは当分世界一である。
ちなみに、サプリメントの消費動向もこの年代でピークだ。女子栄養大学の香川副学長は、「健康寿命と平均寿命の間に、男性で4年、女性で6年の隔たりがあり、大半は寝たきりだ」と分析する。原因は脳梗塞などが多く、葉酸パンがいいとして、坂戸市で普及に取り組んでおられる。65歳以上の人々を元気にするプロジェクトが、雇用の拡大や、医療費の削減が実現できれば、そのビジネスモデルは世界の高齢化に大きな貢献となる。「健康大国」を標榜している政府や行政関係者も、介護や福祉一辺倒でなく、徹底した健康政策の推進と活力ある日本の再生を考えてみてはどうかと思う。この分野にはかつてない大きな商機があるように思う