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親日のベトナムに商機あり

 これからの成長市場として注目されるのがインド、インドネシア、ベトナム等である。23日から駆け足でハノイを中心に回った。ソニーやパナソニックが世界市場で苦戦しているとの報道が相次いでいるが、ベトナムで聞く話は随分違う。「お金があれば、長持ちする日本製品、お金が少し足らなかったら韓国製品、お金がない時は中国品」というのがベトナム人の選択基準だという。化粧品も資生堂の名前が飛び出す。
 「サムスンや現代はどうか」と聞くが、テレビや自動車やオートバイについても同じだと。日本のオートバイの修理は立ち会わないと中国製の部品にすりかえられるとも。中国とは領土問題もあり、余りいい感情は持っていないようで、逆に日本とはいい関係だ。製品についての信頼度は大きい。ODAの資金で作られている工事現場などを見学し、大きな看板を見せて、「必ず返します」という返事が案内の人から飛び出すぐらいだから、頼りになる。
 平均年齢29歳とかでインドには及ばないが、若い国である。昨年までは不動産バブルで、高級車を乗り回すのは不動産屋と相場が決まっているらしい。金利が高騰し、20%を超えたというからサラ金並である。支払えないと刑務所送りというから厳しい。このところ陰りも出てきたが、それでも1㎡400万円、500万円という数字が飛び出すからどうなっているのか分からない。日本が自らの評価を低くしているのか、相手がバブルなのか。スーパーマーケットもなく、道路でとうもろこしを乾燥させ、フランスパンや果物、花を売り、正しく道の駅ではなく、道がマーケットという状況にある。


 それでも、人件費が安いこと、社会主義とはいえ政治的に安定していることなどから多くの日本企業の進出が続いている。本田やキャノンなどの看板が目に入るが、タイの次はベトナムという趣である。健康産業の市場性ということで覗いてきたが、蓮のお茶やバットティン茶、グアバなどがお土産として紹介されている程度で、当面は生産拠点であり、素材発掘の可能性も大きい。2012年、注目のマーケットの一つだ。(2011納刊号)

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