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NTTドコモ、有機宅配「らでぃっしゅぼーや」(JASDAQ)買収へ

2012_0208-radish.jpgらでぃっしゅぼーや(株)の売上推移

 「健康産業速報」、「健康産業新聞」で詳細を報じているが、先月30日付けで、モバイル大手のNTTドコモは、有機農産物の宅配らでぃっしゅぼーや㈱のTOB(公開買い付け)開始を発表、株価も急騰している。公開買い付けは1月31日から3月12日までで、買い付け価格990円で全株式を買い付ける。買収総額は総額約70億円を見込んでいる。株式取得後は完全子会社化し、上場は廃止となる見込み。

 ドコモは取得した株式の一部(50%を越す部分)を、らでぃしゅぼーやと提携関係にあるローソンに譲渡し、三社の協業関係を構築する。注目されるのはその意図と今後の展開である。モバイル大手は3社ほどが競合関係で激しく競い合っている。NTTドコモの狙う先が、拡大する高齢者市場か、ローソンなどのリアル店舗の顧客か、いずれにしても、他社も静観しているわけにはいかない。

 一方、買われた側の有機農産物市場や宅配ビジネス市場も新たな価値の評価を突きつけられ、浮き足立っている。本紙取材では『似たような打診がある』(同業他社)などとし、これからが期待されているが、期待の割に急速な拡大が見込めない有機農産物市場に朗報と受け止められている。


 ちなみにらでぃっしゅぼーや㈱は、2011年の売上高は220億円、営業利益は2.6億円と利益率は低い。また、この数年は売上げも営業利益も微減で推移している。NTTドコモは何を狙ったのか。同社は中期ビジョンで、総合サービス業を目指しており、そのなかで食品は重要で、安全も欠かせない。『食の安全・安心』「高齢化社会・買い物弱者へのソリューション」『環境保護・農業問題』などなどの社会的課題について、事業シナジーも期待できるとしている。消費市場の44%を占めるシニア市場を取り込むための深慮遠謀とすれば、有機市場にも新たな可能性がもたらされることになりそうだが、株価も期待をはらんで急騰中である。

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