「がんの代替医療における有効症例の調査研究」(国立がんセンター研究開発費、大野智・早大准教授)で健康食品の有効症例が9症例であることが分かった。これらの症例については臨床試験に進むための充分なデータがあるとし、研究班では、症例を集め、倫理委員会をパスして、医薬品のフェイズⅠ、Ⅱにあたる安全性と有効性のヒト臨床試験に取り掛かる予定。どのようなサプリが俎上に上っているかは公表されていないが、サプリメントの医療分野における可能性に道を開く研究として注目される。
研究にあたった大野氏は「医療の現場に健康食品を持ち込むなら最大のツール・評価系はやはりRCT。ただし、いきなりRCTは実施できない」とし、「今回の研究はそのための症例集め。重要なのはエンドポイントで、漠然と“免疫を高める”ではなく、例えば“抗がん剤の副作用である白血球の減少を抑える食品ですとか・・・以下略」(コメントは健康産業速報より)とする。
前段として、医療機関から集まった症例でも20ほどあり、医療分野で期待されるサプリは調査時点で30ほどと少なくないが、データが不十分であったり、その後のデータが途絶えてしまうなど、手順としての問題もあり、産業界と医療機関、研究者との連携の重要性も浮かび上がってきたようだ。
今回の発表は来週火曜日から行われる統合医療展では間に合わないが、詳細が判明次第、続報をお届けする。この件の詳細記事は「健康産業新聞」(2月22日付)、「健康産業速報」(2月17日付け)で報じている。
また、『統合医療展は』来週の21日(火),22日(水)東京ビッグサイトで行われる。セミナー、展示会の概要についてはHP(http://www.togo-iryo.jp/)を参照のこと。