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日台中の商流を、台湾の協力で

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 健康産業における日台の交流の歴史は古い。クロレラ、スピルリナに限らず、ローヤルゼリー、蜂蜜、烏龍茶など、多くの健康食品や自然食品の原料供給元として、台湾がその役割を果たしてきたが、これからは別の機能が求められている。

 かつてのクロレラブームは、宇宙食としてNASAも注目し、教科書にクロレラが紹介された他、食糧不足のアフリカなどの蛋白供給元としても脚光を浴びたが、日本では急増する生活習慣病(当時は成人病)の対策として、評価され、30社ほどの培養メーカーが台湾全土に誕生した。各社に巨大培養プールが作られ、脱水機やスプレードライヤーが設置され、生産量も1000トンを超えるなど、台湾国内の経済波及効果も大きかった。当時クロレラは緑のダイヤと言われ、キロ4000円、5000円で取引され、供給が間に合わず、飛行機で持ち帰る業者も。

 先に公表された「日本再生戦略でも、健康食品が取り上げられた」(健康産業速報)としているが、生産段階の経済効果、販売段階の経済効果、そして、予防効果として期待される経済効果など考えると当時のクロレラブームの影響と産業界のフィーバーぶりが思い起こされる。

 しかし、台湾の経済成長、都市化の影響で、供給拠点は中国に移り、今はクロレラやスピルリナ、ドナリエラなどの藻類の生産拠点として機能する以外に、樟子などのいくつかの機能素材があるものの、日本との関係では素材や製品の台湾の輸入が中心になっている。こうした中で、台北で開かれた展示会に日本企業が顔を出しているので、その目的を聞くと、台湾を経由し、香港、中国本土、東南アジアへの足がかりをつけたいという声が、あちこちで聞こえてきた。


 中国とのビジネスは、巨大な市場を持つだけに、各国の期待は大きいが、やはり商習慣の違いからくるトラブルは少なくない。そうした企業が、日本とはそもそも交流の歴史が古く、かつ中国にも足がかりを持ち、東南アジアをも視野にいれる台湾とビジネスをするという図式は興味深い。「中国は古い人ほど日本との関係に複雑な思いがある。製品の魅力は分かるものの、ビジネスのパートナーとしては、抵抗もある。そこに商習慣の違いでトラブルが起きるとことは複雑だ。台湾の仲介はいいクッションになる」という。事実、台湾緑藻や味 丹に 話したら、協力できるとの返事も来た。日本ー台湾ー中国の新しいネットワークが、健康食品の流通で期待できるかもしれない。

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