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消費者行政は消費者の声に答えたか

 今年の重大ニュースを考える時期だが、やはり「消費者行政と消費者委員会」の迷走ぶりはきちんと総括されるべき課題だと思う。そもそもは、「産業界と消費者がウインウインの関係に」として誕生した消費者庁と消費者委員会だが、福島瑞穂議員や松原仁議員などが消費者行政に関与する中で、消費者団体と産業界の対立構造が収拾不能なほどに深刻化した。
 そもそも、消費者団体は消費者の代表などという構図が、日教組など他の団体同様に通用しなくなってきているなかで、ご本人も消費者委員会もその認識が足らない。消費者団体からは「ガイドラインも法律に」(主婦連合会)と憲法など踏みにじっても規制強化をいう社会常識を逸脱した声が発せられる。また、「企業を抜きに消費者団体だけで検討会を」(遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン)と叫ぶ代表も。ついには「真の消費者の声」(複数の消費者団体)などと、大きいだけで内容のない声が飛び交い、税金と時間の無駄遣いが延々と続く。消費者アンケートにある消費者の声とは真逆の人々に、これ以上、消費者行政のかじ取りを任せてよいのだろうか。
  政治は曲がりなりにも選挙のみそぎを受けるので、それでよいが、消費者行政はどうか。政権交代で健全化するのであれば、いまこそ、消費者庁と消費者委員会の今年一年をきちんと総括しておきたい。


 かくして健康食品の議論も随分と遅れてしまった。厚労省とは健康食品GMPの導入や安全性ガイドラインの導入に向けた安全対策が着々と進み、消費者庁では金澤座長を中心とした機能評価モデル事業が、消費者ニーズを踏まえ進められた。これらはトクホ制度以来のエポックであり、成就すれば、世界に発信できるチャンスもあったが、その後の予算計上もなく、消費者庁は7,000万円の国民の税金とともに評価モデル事業をごみ箱に捨てようとしているのではないか。
 
 産業会の人々にも、消費者庁が行ったアンケート調査をしっかり読み取り、消費者の声に基づく企業の取り組みを前進させるよう呼びかけてきた。「ダイヤモンド」が経済誌とは思えない意味不明のサプリ特集で嘲笑を浴びているが、ターザンの最新号が役立つサプリの使い方でちょっとした話題になっている。消費者を見ている雑誌とそうでない雑誌の実力の違いがここでもはっきりしている。

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