介護食や医療食などの食の展示会「メディケアフーズ展」が先ごろ成功裏のうちに閉幕した。当社の展示会は、2月の「メディケアフーズ展」「統合医療展」でスタートし、3月の「健康博覧会」から、4月の医薬原料のCphIなどのヘルスケアの展示会に続き、秋はジュエリー、9月の「ダイエット&ビューティー展」、10月の「食品開発展」へと続く。その間に、春は上海やタイの食品素材展、介護福祉展、晩秋は欧州のFi、Hi展などがあり、国内外のビジネスショーが周年で続く。
一年の幕開けの「メディケアフーズ展」は2月中旬、みぞれ混じりの悪天候での開催となったが、来場者の著しい増加が目立ち、2日間とも会場はほぼ満員だった。登録数は1割増の1万2千人。事前のセミナーも満席が続出、我々が想定する以上に高い関心が寄せられ、出展者の満足度も高かった。これまでも栄養士や薬剤師、病院関係者などの来場者で、セミナーへの関心度は高かったが、来場者急増の背景には、医療機関などに限定されていた市場が、量販やCVSのバイヤーに広がりを見せていることを実感させた。通販会社のトップの顔も目立つなど、流通の広がりが期待できる機運が各所にみなぎっていた。テレビなどニュースで相次いで報じられ、社会的なテーマとしての注目度も年毎にアップしている。
背景には急速に進む高齢化、病院や高齢者施設の不足から在宅に広がる介護など、介護食、医療食のニーズの拡大がある。「介護食品市場は2.5兆円の潜在需要との指摘があるが、1,000億円程度にとどまっている」───農水省もこの落差について論点整理に乗り出した。要介護者500万人という現実からは市場規模が小さすぎるというのが、論点である。さらに安倍内閣では、輸出力のある産業ということで、この分野に着目している。既に、UBMグループも、介護・福祉などの分野で、CARE SHOWというブランドの展示会を欧州でスタートさせている。また、上海やアジア各国でも同展の開催について構想が広がっている。国際的な成長の可能性も秘めたメディケアフーズへの関心はかつてなく高まっている。