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市場の先行き不安の声は

 「世に言われるアベノミクス効果で、株高はいつまで続くか」という議論をよそに、業界では今のサプリ市場の好調がいつまで続くか、先行きへの不安が高まっている。ここ5年ほど、通販を中心にサプリメント販売が絶好調で、200億円規模の会社が数多く誕生、急成長してきた。ただ、各社ともTVCMや折り込みチラシ、新聞広告など似たり寄ったりの広告手法で、消費者に届くサプリメント情報は溢れている。販社は、売り上げの伸び悩みを品揃えでカバーする傾向で、結果的には、似たような商品構成の通販企業の乱立につながっている。主要各社の販売高が頭打ち傾向にある中で、市場の先行きや、高止まりへの不安がここにきて広がりつつあり、問い合わせも増えている。
 一方で、受託製造各社の新工場計画や増設計画もこのところ目白押しで、こちらもちょっとした新設ラッシュを迎えている。この先には価格競争が待ち構えており、量産体制で薄利を追うスタイルが主流になりそうな気配だ。グミなど隙間の受託は好調のようだが、一般の受託製造分野は恐竜が激突するような大競争時代の幕開けが迫る。
 では、市場はどうなるのか。総務省は4月に我が国の推計人口を発表したが、「2012年4月時点で、総人口は1億2,752万人で、65歳以上の高齢者は100万人増の3,000万人となった」としている。総人口は過去最大の減少で、総人口の減少と65才以上の人口比増加の傾向はしばらく続く。


 実は、高齢者人口がサプリメント市場を支えているという数字もある。「サプリメントの利用者は、50歳以上で75%を占める」という。また、総務省の家計調査で、年代別のサプリメント購入額を見ると、60代以上では、5歳ごとに購入金額が跳ね上がる。予防は自己責任ということで、高齢になるほどサプリメント需要が拡大する傾向だ。
 結論的には、高齢者市場の拡大に伴うサプリメント需要の拡大は向こう20年ほどは期待できる。それを支えるのが、アベノミクス効果で購買力の拡大と、壮大な健康運動の推進がエネルギーとなる。エグゼ会議などが、規制改革会議に業界の声をまとめて伝えているのも、このためである。市場が2兆円に迫り、拡大を続ける中では、市場の未来は占うものでなく、また、個別企業の競争だけで克服するものでもなく、業界としてマーケットを創造して行く必要がある。麻生副総理の10万円提案など、チャンスはむしろ広がっていると見ているが。

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