「第三者認証制度導入を」(日健栄協・下田理事長)
「企業にはモラルを、国民には冷静な選択眼を」(国際医療福祉大学大学院長・金澤氏)
(公財)日本健康・栄養食品協会(以下、日健栄協)は5日に会員企業向けのトップセミナーを開催し、先日閣議決定した新規機能性表示について下田智久理事長が第三者認証の協会案等を説明した。
セミナーではこのほか、内閣府官房審議官(規制改革会議担当)羽深成樹氏や、国際医療福祉大学大学院長の金澤一郎氏が、それぞれ規制改革会議の流れや食品の機能性評価の課題等について講演を行った。
会場には会員企業など190人が詰めかけた。
日健栄協・下田理事長は「日健栄協の針路」と題して協会が目指す機能性の第三者認証制度案を説明。
規制改革会議のヒアリングでは「健康機能表示食品(仮称)を作っていただけないかというのを眼目に、規格規準と個別評価の『併用型』の制度で、第三者認証制度を取り入れるのはどうかとお願いした」という。
また、法律の側面から機能性表示の容認が可能かどうかについても会員に説明し、機能性表示を直接禁止している食品衛生法第19条第一項の規定に基づく表示の基準に関する内閣府令を「解除する必要がある」とした。
「できるだけ早い時期に第一号の認定マーク付き健康機能表示食品を上市することを目標に準備を進めていきたい」としている。
国際医療福祉大学大学院長の金澤一郎氏は食品の機能性表示における問題点や、企業に求められる点について解説。
また今回の閣議決定について、答申を受けた安倍総理のコメントを引用。
「『機能性表示を解禁します。国民が自らの健康を自ら守る。そのためには的確な情報が提供されなければならない。当然のことです』や、『アメリカでは国の認定を受けていないことをしっかりと明記すれば、商品に機能性表示を行うことができます』と言っている。こうした色々な条件が付いていることを私たちは忘れてはいけない」と、表示解禁には企業側が重大な責任を負う必要があることを強調。
「企業にはモラルを、国民には冷静な選択眼を求めたい。この2 つが一緒にならないと、残念だが規制改革は水泡に帰すると信じている」と話し、業界側の自主的な取り組みや消費者へのエディケーションの重要性を指摘した。