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消費行動の変化を見誤るな

  「レジャー白書2012」が公表され、ここでも高齢者層の健闘ぶりが伝えられている。政府の成長戦略で、健康寿命の延伸が取り上げられているが、高度成長を作り出した団塊世代の次なる行動は、自ら健康寿命の延伸を実現することかもしれない。
 「レジャー白書2012」では、余暇市場は65兆円弱で、ピークの91兆円から大きくダウンしている。前年比でも0.3%ダウンで、景気後退と雇用問題が成長エネルギーをそぎ落としている格好だ。一方で、国内旅行や遊園地が若干の増加となった程度で、「震災で大半が落ち込んで、通常稼働になったものの一昨年比で伸びてない」という深刻な現状がある。また、調査項目には新たに、温浴施設、エステ、デジタルコミュニケーションなどが加わったが、これまた、高齢者層の健闘分野である。
 スポーツ分野は4兆円で微増だが「スポーツサプリが中高年層で大きく伸びている」とも。さらに、「アンチエイジングや美容系サプリが登場している」(本紙一面)などとあり、今後も拡大が期待できそうな気配である。また、山岳マラソンでの中高年層の進出が目立つが、ここでも栄養コントロールのためにスポーツサプリの利用が広がっているという。フィットネスクラブも市場規模は微増だが、利用者層は圧倒的に高年層に広がっている。フィットネス産業界も、デイサービス以上フィトネス施設未満の健康な高齢者のニーズをどのように取り込んでいくか様々な試みをしているが、ユーザー側の健康志向と行動が極めて積極的で、行動と知力で健康寿命を一挙に延伸しそうな勢いだ。また、レジャー産業でも「10代のレジャー離れと60代のレジャー参加増で、主役が逆転した。60代が余暇の主役になりつつある」とまとめている。


 これまで、団塊世代の登場前は、60歳定年で、社会のインフラが設計され、あとはおまけという社会制度に甘んじてきたが、おまけが主役だとして反撃が始まっている。雇用の拡大は当然としても、多様な仕事と遊び、高齢層の化粧品市場の拡大、旅行、レジャーと。未来は現実にならないとわからないものだが、わかったときはもう現実である。チャンスは目の前だ。

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