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塩選びの楽しさとプレミアム感、こだわり塩が浸透
 日本の塩マーケットは世界に類をみないほど、バラエティ豊富と言われる。
 食卓塩・低価格のPB食塩、こだわりの製法による国産塩、世界各国の輸入塩が店頭に並ぶ。
 減塩志向に応える低ナトリウム設計の塩製品も増えてきた。
 塩飴や塩ドリンクなど、塩フレーバーの商品群も人気となっている。
 こだわりの塩が持つ美味しさとプレミアム感によって、業務用での採用も拡大傾向だ。
 消費者の内食回帰や日常生活に対する意識の変化が、塩に対する関心となっており、ストーリー性の高いこだわりの塩の存在感が増している。


 多彩な塩が流通して人気が出ている半面、家庭用塩市場の縮小傾向は続いている。
 人口減少と減塩志向により、食用塩の消費量は前年比3 ~ 5 %減で推移。
 財務省の「平成23年度塩需給実績」では、主に小売店を通じて販売され、家庭用及び飲食店等において使用される「生活用」の需給量が18.8万トン。
 「業務用」は81.1万トンで内訳は、漬物用8.7万トン、みそ用4.7万トン、醤油アミノ酸用16.6万トン、水産用17.6万トン、調味料用12.3万トン、加工食品用13.0万トンでとなった。
 平成9 年3 月に塩の専売制度が廃止され、平成14年4 月より塩の販売が自由化された。
 平成20年食用塩公正取引協議会が発足し、今年で5 年が経過した。
 70社でスタートした協議会は今年、会員企業は193社に増加。
 間もなく200社を達成するとみられている。
 厳しい企業間の競争のなかで、原産地や製法などの製品情報を消費者に公正に情報提供する取り組みは、塩業界の自主的な活動として行政にも高く評価されている。
 協議会の商品表示の承認点数は既に1,000点を超えた。
 非常に多様な製品が流通する市場に成長している。
 消費者の塩に対する関心の高まりを背景に、業務用でもこだわった塩の採用が進んでいる。
 業務用は従来、イオン膜メーカーが独占に近い状況だったが、特殊製法塩のおいしさが知られるようになり食品メーカーやレストランでの需要が高まってきた。

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