「健康寿命を短くする原因は、メタボ・認知症・ロコモ」
日本整形外科学会は、9月12日、都内で「骨と関節の日」(10月8日)の記者説明会を開催した。
今年のテーマは「ロコモティブシンドロームと2025年問題」。
同学会の岩本幸英理事長は「メタボ、認知症、ロコモを克服して、国民の健康寿命を延ばしたい。会員の総力を挙げてロコモの啓発活動に取り組んでいく」と力強く語った。
講演した社会医療法人社団蛍水会名戸ヶ谷病院の大江隆史院長は、全ての団塊世代が75歳に到達し、社会保障費の負担・増大が危惧される2025年に向けて、ロコモ対策が喫緊の課題であると指摘。そのうえで「ロコモ対策先進国として日本が世界をリードしていくことができる」と述べた。
メタボに続く国民病・ロコモ 筋肉・骨強化には予防食品も必要
冒頭、日本整形外科学会の岩本幸英理事長が登壇。
循環器、消化器、呼吸器と同様に、身体を動かす運動器(骨・関節・筋肉・腱・神経などの総称)の重要性を説明。
「運動器は自動車に例えるとエンジンやタイヤのようなもの。運動器における各パーツのどれが壊れても、身体はうまく動かない。運動器の役割は、超高齢化社会においてますます重要になる」と指摘した。
同氏は、運動器疾患の患者は高齢者をはじめ増加し、かつ、複数の疾患を合併していることが多いことに言及。変形性膝関節症、変形性腰椎症、骨粗しょう症の3 疾患のうち、いずれか1 つに当てはまるロコモ予備軍は4,700万人におよぶことなどを説明。
「運動器の障害は極めて重篤で、国民にとって大きな問題」と強調した。
さらに「国の施策もメタボの次はロコモ対策を掲げている。ロコモ対策が国民の健康寿命の延伸に結びつく。私達もこの施策に全面的に協力していく」と話した。
また本紙取材に対して「食品の観点から言えば、運動しても食事をしっかり摂らなければやせて筋肉は減ってしまう。タンパク質を含む食品を摂ることは大事。骨では、カルシウムをはじめ、ビタミンD、Kなどが必要。栄養補助食品もうまく活用して欲しい」と述べた。