通販協でのジャパネットたかたの高田社長やカタログハウスの斎藤社長の話が面白かったが、ニュースとダブるので、視点を変えて触れてみたい。
通販と一口に言っても、時代とともにその内訳は進化を続けており、昨今その変化は恐るべきスピードである。
富士経済の調査では、カタログ販売は1兆5000億円ほどだが、この10年右肩下がりで、テレビ通販も4,000億円台で微増か横ばいである。
それに対してインターネット通販はこの10年で3 兆円を超え、断トツの伸びとなっている。
振り返れば、確かに、出張時の航空チケット、ホテルなどはインターネットが主流だ。
書籍なども利便性からネット購入が広がりを見せている。
また、産業構造としても、銀行や旅行代理店、家電等の小売業のネット販売への移行が進み、産業構造の枠組みが変わったとの見方もある。
こうした中で、社会構造やニーズの変化で消費行動が劇的に変わる恐ろしさを、テレビの売り上げの急減などで高田社長は指摘し、カタログハウスの斎藤社長が「立ち止まってしまった」と語るところである。
所得が右肩上がりの時代、ディノスが夢を語った時代から、年収200万の若者が溢れる今日で、街には100円ショップやユニクロが増殖し、消費者の期待を一手に引き受けている。
サプリメント販売も、当初は専門店販売や訪問販売が主流であった。
価格破壊やTVの健康番組の影響でドラッグストアや通信販売に移行していくが、健康産業自体の新しさと、高齢化というキーワードで消費者市場の拡大が着実に進んでいる。
しかし、斎藤社長が指摘するように「言葉のビジネス」が「価格のビジネス」になってしまっているという点は、産業界が心して受け止めなければならない。
そもそもサプリメント販売は、それこそ「言葉のビジネス」であったが、薬事法の規制で、言葉狩りの時代を生き抜いて、皮肉にも、言葉を忘れた産業?になってしまった。
今、ようやく機能表示の議論が高まり、「言葉のビジネス」に軌道修正できるか、チャンスが広がろうとしている。
商品が持っている言葉を引き出せるか、そのような素晴らしい商品であるか、そのことをサプリメントの製販に携わる産業界は、しっかり受け止めて行くことで次なる活路が生まれるのではないか。