糖化ストレス対策、多角的に認知拡大へ
臨床現場でも糖化対策の重要性示唆
エイジングケアの根幹とも指摘される抗糖化。糖化対策をテーマにした機能性素材や商品開発が続々と進むなか、臨床現場における糖化ストレスの重要性も指摘されはじめた。
美容訴求を足掛かりに拡大を続けてきた抗糖化マーケットだが、糖尿病や認知症などのあらゆる疾病予防としての認知向上に期待がかかる。消費者への訴求が難しいとも言われる糖化対策。美容や健康寿命延伸のキーワードとしていかに認知向上できるかが市場拡大の決め手となる。
先月26日、都内開催された糖化ストレス研究会の講演で、臨床現場での抗糖化に関する認知度について興味深い発表があった。「現場の医師や医療スタッフにおける糖化ストレスへの意識を向上させる必要がある」とし、糖尿病をはじめとした疾病対策の観点からも抗糖化の重要性を指摘した講演だ。発表したのは、(公)財団法人宮崎県健康づくり協会健康推進部次長で平和台病院内科医師でもある谷口尚太郎氏。
同氏は、独自に「糖化に関する認知度」について調査。糖尿病専門病院のスタッフ130名に実施したアンケートで、“糖化ストレスについて聞いた事がある”が全体の31%となり、“酸化ストレスについて聞いた事がある”についての回答(63%)の約半分だったと発表した。
また、糖化によって生成される終末糖化産物(AGEs)については、“AGEsを初めて聞いた”が全体の62%を占めたといい、糖尿病の専門スタッフでも糖化ストレスを認知していない実態も明かされた。