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スモール・イズ・サスティナブルか

 先月11日の通販協の記念講演でジャパネットたかたの高田社長は、2 期にわたる減収減益を分析、エコポイント当時、テレビが一日一万台、ひと月に30万台売れ、ひと月の売上高はそれだけで200億から250億円、今は5億も売れなくなっている、などと商流の著しい変化を紹介した。
 そして通販は、消費者の信頼をどう得て行くか、業界全体で取り組んで行く必要性にも言及、また、競争は人とではなく自分の中で行っていくもので、夢は必ず実現すると、最後はさすがに自信に満ちたものとなった。
 健康食品の通販が一つの曲がり角にある中で、その抱えている問題、置かれている経済環境などにも多くのヒントが示された。


 パネルデスカッションには、カタログハウスの斎藤駿社長、ファンケルの池森会長、QVCの佐々木社長などが登壇、とりわけ、協会の創始者でもある斎藤社長の主張、スモール・イズ・サステイナブルに関心が集まった。
 同氏は、通販業界は高度経済成長の恩恵で作られた業界だと振り返り、今、日本経済の行方や、消費者の環境などを踏まえると、立ち止まってしまうと。
 同氏の発言はジャドマニュースでも詳細に紹介されているが、「縮みゆく男」(リチャード・マシスン)を例に、需要のない停滞社会の到来と、直面する現象としては「リストの循環」「商品の循環」がなくなり、「窓口」(新しい顧客)からはサプリメントの活況しか見えてこないと。
 しかも、ダイエーが目指したような生活者の需要喚起のための価格破壊とは異なる、まず値引きありきの競争が広がっているとし、通販が「言葉のビジネス」から「価格のビジネス」になってしまった現状に疑問を投げかけた。
 確かにサプリメントは、言葉(情報)のビジネスだ。
 混迷の中からの起死回生策、カタログハウスの持続可能な企業経営の確立として、売り上げを減らし人件費を上げる「スモール・イズ・サステイナブル」の新たな挑戦を始めたとも。
 通販業界は困難にはあるにせよ、優れたオピニオンリーダーが健在であることは、大いなる可能性だ。
 それだけに、最近の通販協の風通しが少々よくないのは惜しい。

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