健康産業オンライン

健康寿命延伸と機能表示の歯車を止めるな

 機能表示市場導入プログラムは、第二ステージに突入し、消費者庁に舞台を移した。規制改革会議の市場導入方針を受け、消費者庁は2015年春の市場導入に向け、制度整備を行い、機能表示の実現を促す。当面するスケジュールは来年3 月までの消費者調査、それを受けての有識者会議の発足となる。遅くとも5 月頃のスタートで、最低5 、6 回は行われるとみると、2014年中の取りまとめ、3月の新制度公表で、その間に法整備も行われることになる。
 一方、ここに来て阿南長官の安全性確保の絶対条件発言や消費者庁の課長の業界向け発言などが飛び出し、歯車の逆転にならなければという懸念も広がってきた。今こそ、産業界は市場導入に向け業界の意見を取りまとめ、政権と消費者庁の架け橋の機能を粛々と果たすことが必要ではないか。


 なんとなれば、行政の体質として、また、消費者庁という機能を考える時、現場の担当官の熱意は別にしても、新しい制度や政策を押し出す機能は乏しい。安倍内閣は、健康寿命の延伸と機能表示の導入を鮮明にし、消費者が「自分の健康を自分で守る」方策を提唱した。それは、この国の国家戦略であるが、完成されたロードマップがあるわけでもない。米国も1994年のDSHEA、それに先立つNLEAなどの法律の施行後、バイオテロ法など修正を続け、機能表示導入の取り組みを進めている。
 安倍内閣の進める一連の政策は、健康長寿社会への挑戦である。だとすれば、走ろうとする車を止めるな。近視眼的には、安全神話も、規制による消費者保護、食品偽装を正せという発言も、正当性があり、発言者の安全確保には合理性がある。しかし、拡大する医療費、国民負担の増加、社会保険制度の破綻などの直面する危機にはどのように対処するのか?健康産業界では送りつけ詐欺の影響が拡大している。似たような社名を使われ、宣伝しても誤解を招かれるなど、困り果てている企業もある。ここは業界が消費者庁と手を携え、排除の仕組みを示す必要がある。消費者庁も、機能表示の導入の前に、消費者が直面するこれらの問題解決にのり出す必要がある。なぜなら、この問題を解決する手段には、機能表示市場導入の際の消費者保護のスキームも含まれるからである。消費者保護はスローガンではない。業界人も共有すべき課題である。

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