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【主張】 風邪と向き合って思うこと

 社内で風邪が流行し、自分は大丈夫と思っていたがついにダウンした。自然治癒力に期待し、かりん酒やアロエ酒、黒豆や蓮根など、健康百科を片手にいろいろ調理してもらい試したが、あまり効果も見えず、夜になると咳で寝れず、近くの診療所を訪ねた。症状を説明した後、喉を診てから、聴診器と触診があり、昔ながらの診療にちょっと安心して、処方箋をもらって、調剤薬局に。診療と処方薬でしめて2,000円程。健康保険はあまり使う方ではないが、国民が均等に低額で受診できる制度は、優れてありがたいものだと実感した。
 肝心の風邪は、咳止めや気管支拡張剤、痰のキレを良くする薬、感染症の治療薬など5種類ほど処方された。咳さえ止まればと期待したが、存外効き目はなく、数日同じような苦しい状態を経て、ようやく治癒した。効果のほどはともかく受診の安心感は絶大で、妙な信頼感も。ただ、痰のキレを良くする薬は、唾がさらさらした水の状態になり、寝ていて水を飲む感じで、誤嚥しないかと使用をやめた。
 結論としては、やはり予防が第一であるのだが、例えば手洗いは20秒(ハッピバースデイを一曲歌う)必要ということで、なかなか実行困難であり、マスクをつける人も多くなったが、息苦しいと嫌う人も少なくない。究極的には健康な体づくりが課題になる。そこで、サプリメント需要が生まれている。それを見て、消費者団体や一部の学者が批判を強めているが、要は消費者ニーズにどのように答えるかが問われているわけだ。米国では、サプリメントの柱はビタミンとミネラルで、多くの利用者がその機能を認識している。欧州ハーブも市場の一角をなしている。こちらは代替医療的な利用が多いのか。比較的エビデンスに裏付けられているものが多い。我が国では、クロレラやローヤルゼリー、人参など生薬や食品をベースにサプリメント市場が形成され、伝承的な話は多いが、エビデンスは乏しい。
 消費者庁の検討会は、エビデンスに基づく機能表示導入を目指し、議論を進めているが、背景には情報を遮断された消費者の要望がある。ただ、議論のベースにある医薬品的な安全性や有用性のもの差しは、サプリメントの場合、例えば発汗を促進し風邪を治す漢方薬に近く、そぐわないような気もするのだが。

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