消費者庁と厚生労働省は先月18日、都内で健康食品に関するリスクコミュニケーションを開催、事業者を中心に211人が参加した。
消費者庁長官の阿南久氏のあいさつに続き、国立健康・栄養研究所の梅垣敬三氏が基調講演。
主婦連合会会長の山根香織氏、健康食品産業協議会会長の関口洋一氏、国民生活センターの福山哲氏、厚生労働省新開発食品保健対策室長の西村佳也氏、消費者庁食品表示企画課の松原芳幸氏が登壇した。
梅垣氏は、健康食品の実態と安全性、有効性について、「全体像を話したい」と切り出し、「食品だから安全で、薬のような効果が期待できる」という認識は間違いであると強調した。
一方、健康食品は適切に利用すれば役立つものもあると説明した。
健康食品による健康被害実態はよくわかっていないとしたうえで、「ほとんどはそんなに問題がないが、注意喚起する必要がある」と指摘。
製品に問題がなくても、不適切な利用法によって被害が発生するケースに言及した。
健康食品産業協議会会長の関口氏は、健康被害・違反事例情報を分析した結果を紹介。意図的な医薬品成分の混入が「圧倒的に多い」との実態を説明した。
山根氏は不適切広告等の問題点を列挙。検討中の機能性表示制度について、経済成長路線に重きを置いた規制緩和に反対した。
最後に、消費者庁消費者安全課長の宗林さおり氏をコーディネーターに、「健康食品とどう向き合うか」とのテーマで、この日の演者らによるパネルディスカッションを実施。
厚労省の西村氏は、健康食品の製造業者は200社を超え、半数がGMPを取得しているとのアンケート結果を紹介。
消費者庁の松原氏は、健康食品の新表示制度について、「ちゃんとしているところは企業責任で(機能性を)表示できる」と言及。
そうでない企業は「根拠を示せず表示ができない」と話した。