統合医療

星薬科大学、サプリの新しい摂り方を提唱

 サプリメントの機能性表示に関心が高まる中、昨年星薬科大学より「薬学から考えるサプリメント」(星薬科大学薬品分析化学教室中澤裕之氏岩崎雄介氏:UBMメディア発行「食品と開発」に掲載)が寄稿された。
 星薬科大学は、SF作家の故・星新一氏の実父である星一氏が、明治39(1906)年創業の製薬メーカー・星製薬㈱の社内に教育部門を設け全人教育を開始したことを起源とし、平成23(2011)年に創立100周年を迎えた。
 薬学の視点からサプリメントを考察した内容で、高齢化時代にあって、サプリの正しい摂り方を提唱する(以下は抜粋紹介)。


 統合医療や代替医療としてサプリメントが使われている。錠剤や粉剤として高齢者ほど複数の種類を利用する人の割合が高いといわれる。消費者委員会の調査によれば、約5 割の利用者が2 種類以上のサプリメントを利用し、年齢が上がるほど、複数のサプリメントを利用する割合が増える傾向があると報告されている。
 がんや循環器系の疾患で闘病やリハビリに取り組んでいる患者の中には嚥下障害を呈する人もあろう。抗がん剤等の副作用で吐き気、嘔吐のために食事を摂れない人にはサプリメントを活用するのも一つの手段である。しかし、回復期の脳疾患患者は長期にわたり嚥下障害を伴い、錠剤、カプセルタイプのサプリメントでも服用が困難な場合がある。とろみ剤を使用することができない場合にはヨーグルトやとろみ感のスープのようなものを利用して口にするのも一つの工夫であろう。
 藁にもすがる思いでサプリメントを使用していて時間的に有効性、安全性の客観的な評価を待てない人も多いと思う。サプリメントをどう活用するのか? 自らの対応策は、(1)使用していて湿疹、吐き気、めまい、下痢などの症状が出た場合、たとえ高価な製品であっても速やかに摂取を中止することである。(2)病を抱えている人は定期的に血液検査を受けていよう。その場合に臨床検査結果の数値をモニターするのも一つの手段である。
 健康食品・サプリメントが多くの人たちに使用されている現実を考えればさらなる安全性・有効性を科学的に検証する取り組みは今後も続けられるべきである。ユーザーが適切に対応すべきことは多々あると思われる。通院中で処方薬を服用している場合には、医師、薬剤師に相談し適切に対応すべきである。

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