統合医療

規制改革会議、混合診療に新たな仕組み「選択療養」を提案

 規制改革会議(岡素之議長)は3月27日、保険外併用療養費制度内に「選択療養制度」を創設することについての論点整理を報告した。
 岡議長は、保険外診療を併用した場合、保険で認められている医療までも自己負担となる現状に対し、「国民皆保険の維持を前提に患者(国民)にとってやさしい新たな仕組み」として、「選択療養」の新設を提案。
 「困難な病気と闘う患者が、これを克服しようとして強く希望する治療を受けられるよう、診療の選択肢を拡大するのが狙い。そのために、保険外併用療養費制度として、国が認めている評価療養と選定療養とは別に、患者と医師の間で合意された診療について、一定の手続きやルールの枠内で、患者が選択した治療について、きわめて短期間に保険外併用療養費の支給が受けられるよう、新たに『選択療養』を創設すべき」と言及。
 患者の選択枠が広がるとともに、自由診療の実態を可視化し、データとして積み上げることで、新たな利活用につなげたい考えだ。


 厚労省との折衝については、「本日、『選択療養制度』の創設について同意にはいたらなかったが、困っている患者を救いたいという点で、現状のままでいいとは思っておらず、何らかの改革、新たな仕組みが必要という点では一致しており、規制改革会議の考え方を受け止めて検討するとの回答にとどまった」という。
 質疑応答では、「厚生労働省のスタンスは」「安全性や保障、リスクについての考えは」「保険収載の可能性は」「実質、混合診療の全面解禁では」などさまざまな質問が出されたが、岡議長は、「安全性確保や手続き、ルール、明らかにおかしいものを外すなどの議論はこれから。
 国民皆保険を大前提に、国が決めたものしか認めていない併用に対し、患者と医師が合意したものを認めてはどうかという段階」と強調。国内の自由診療の実態がデータとして保存されることで、把握する面でも既存よりプラスとなり、「新たな利活用も考えられるのでは」との見解を示した。規制改革会議では、6 月までに新たな方針をとりまとめる。

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