レジャー市場、シニア層の貢献で11年ぶりプラス
(公財)日本生産性本部が4日公表した「レジャー白書2014」で、縮小が続いていた余暇市場が11年ぶりのプラスに転じたことがわかった。サプリメントなどの物販が好調なフィットネスクラブ市場も60代女性が牽引、前年比3%増と拡大した。アクティブシニア層が市場に貢献しているようすがうかがえる。人口構造が変化する今後は、中高年層のニーズへの対応がカギとなる。
2013の余暇市場は、前年比0.8%増の65兆2,160億円。2002年に0.7%となって以来、11年ぶりのプラスとなった。同日会見した主幹研究員の志村武範氏は、「観光・行楽部門」が4 %台の伸びとなったことを市場伸長の要因として挙げた。国内旅行が好調で、高齢者を中心に旅行回数が増加している。
同部門の市場規模は10兆220億円で10兆円を突破。ほかにも多くの分野で回復傾向が見られた。年後半、消費増税前の駆け込み需要があったことも数字を押し上げた。白書では「成熟イメージのある余暇市場でも、マーケティング調査に基づき、消費者の嗜好やライフスタイルに合わせた商品・サービスを提供できれば、まだ伸びる余地がある」と分析。「レジャーの多様化やスマートフォンの普及、消費者の志向変化など、外部要因を言い訳にする業界に未来はない」と厳しく指摘している。
志村氏は今後の余暇市場について、人口の変動やインバウンドなどを考慮する必要性に言及した。