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「食品開発展2014」、4万人を超える来場者で盛況

機能性表示への期待感膨らむ
 アジア最大となる機能性素材と安全・品質関連技術の総合展示会「食品開発展2014」が8日から3日間、東京ビッグサイトで開催され、国内外から約600社が出展した。
 今年の展示会を象徴したのは、機能性表示制度に関連した商材やセミナー。会場では、機能性研究・開発を進めた新素材の上市や、新技術やサービスが活発で提案されたほか、新制度を見据え構造機能表示を想定した商品を展示する企業も。「機能性表示制度対応」などのキャッチコピーを掲げる出展社も目立った。
 また、関連セミナーでは初日から来場者が殺到。連日満員で会場に入りきらない講座も続出した。国内はもとより海外からも多くの来場者がつめかけ、3日間で4万人を超す盛況ぶりとなった。


満員・立ち見続出 大盛況のセミナー
 今年の食品開発展記念セミナーでは、機能性表示をはじめ、話題のハラルマーケット、シニアマーケットをテーマに13分野35講座が開かれた。
 初日の「農産物の機能性表示と市場導入計画」を皮切りに、連日満員の講座が続出。各セミナーに来場者の高い関心が集まった。
 2 日目( 9 日)には“機能性表示導入に向けた技術課題”をテーマに、名古屋文理大学教授の清水俊雄氏、日本食品分析センターの五十嵐友二氏らが講演。「機能性表示の科学的実証とシステマティックレビュー」と題し登壇した清水氏は、システマティックレビュー(SR)の留意点などについて解説した。
 SRの手順として、まずテーマの絞り込みを行い、研究結果を網羅的に収集することを説明。検索データベースはパブメド/メドライン、コクランライブラリー、医中誌が必須になるとした。ネット検索だけでなく、手作業で出版物を収集する必要もあるという。
 研究の質は、「被験者の条件、設定、場所が記載されているか」「重要なアクシデントや副作用は記載されているか」など複数の観点からチェック。質の低い論文をいかに除外していくかが重要になると指摘。これらのデータをまとめて分析(メタアナリシス)を行い、得られた結果から結論を出すとの手順を説明した。
 最終日の「機能性表示最新情報と機能性表示取得のポイント」では、250名を超える聴講客で溢れた。TTCの山本哲郎氏の「食品の機能性表示取得のポイント」、大阪大学教授の森下竜一氏の「機能性表示に関する最新の話題」が講演された。
 出展社への聞き取りでは、「ガイドラインが発表されていないので慎重な姿勢ではあるが、来場者の最大の関心事であるのは事実。機能性表示に関する多くの質問が寄せられた」とのコメントが多く聞かれた。また、来場者層にも変化があり、「今年は大手の食品メーカー、それも取締役クラスの担当者と話す機会が多かった」など、例年以上に企業のキーマンが情報収集に訪れた模様だ。
 来年の食品開発展は、2015年10月7~9日、東京ビッグサイト西1・2 ホール、アトリウムで開催。既に7 割近い企業が会期中に予約を終え、事務局では「機能表示が本格化する2015年に向けて、各社とも積極的に動き出している」と分析している。

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