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【農水省】 農産物の機能性表示で、緑茶など4成分のSR開始

 農林水産物の機能性表示に向けた取り組みが加速してきた。農林水産省は先月25日、ミカンや緑茶など4成分の機能性成分についてシステマティックレビュー(SR)を行う研究グループを決定した。
 日健栄協が代表機関となり、3月末までにSRを実施。成果は生産現場が利用できるようにする方針という。また同日、生鮮食品の機能性表示に向けた民間企業等による技術提案会が行われ、農林水産物が機能性表示を行う上で課題となっていた有効成分のバラツキなどについて、解決に向けたプレゼンが行われた。
 農林水産物についてはこのほか、20億円予算に基づき、機能性表示に基づき、機能性表示を念頭に置いた研究が進行中。機能性表示が俄然現実味を帯びてきた。


 農水省では、新たな機能性表示制度の導入が決定したものの、生産現場ではSRへの対応が困難な状況であることを指摘。“緊急対応研究課題”として、昨年11月、農林水産物のSRに関する研究について急
きょ公募を実施した。2 件の応募があり、日本健康・栄養食品協会と、農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所の研究グループが採択された。日健栄協が代表機関となる。
  
 SRは、査読付きの論文等を網羅的に収集し、データの偏りを可能な限り排除し、系統的に評価する手法。実施には専門的な知識が必要になる。機能性表示の要望が多い米(γ-アミノ酪酸)、温州ミカン(β-クリプトキサンチン)、緑茶(メチル化カテキン)、鶏肉(イミダゾールジペプチド)―― の4 品目4成分のSRを行い、得られた結果の活用を目指す。成分のバラツキに関する知見も収集する。研究費は約1,400万円。今年3 月末までに成果を出すことが求められており、研究は急ピッチで進められる。
 SRのターゲットとなる機能性について、日健栄協では「検討中。なるべく早く決める」と話している。農水省では研究成果について、生産現場が利用できる形を検討しているという。β-クリプトキサンチンは骨の健康など、メチル化カテキンは花粉の季節における有効性などが期待されており、可能な表示に関するガイドライン公表前ではあるものの、SRの実施が困難な生産現場には朗報となりそうだ。

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