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「機能性表示」指針公表、4 月スタート

 「機能性表示食品制度」のガイドライン案が2日公表され、4月1日のスタートに向けて、業界が活気づいてきた。11~13日の「健康博覧会」では、受託企業などが機能性表示への対応を打ち出したほか、関連セミナーが大盛況となった。機能性データブック発行を進める日本抗加齢協会は17日に大阪で、23日に都内で企業向け説明会を開催。日本通信販売協会は24日に“前夜祭”を行う。


 2 日に都内で行われた消費者庁主催の機能性表示制度説明会には、定員1800人を上回る応募があるなど、極めて高い関心が寄せられた。この日、業界が待ち望んでいた「機能性表示食品の届出等に関する
ガイドライン(案)」を初めて公表。全106頁からなるその全容が明らかになった。ガイドライン案は大きく、①対象食品、②安全性の根拠、③生産・製造・品質管理、④健康被害の情報収集体制、⑤機能性の根拠、⑥表示の内容、⑦届出―― で構成。後半に「機能性関与成分の考え方」「システマティックレビュー(SR)実施手順」「届出書式」「機能性の科学的根拠に関する点検表」などをまとめた。
 「サプリメント」の定義について、剤型は「錠剤・カプセル剤・粉末剤・液剤等」と初めて定義。カプセル剤を除く3 剤型は、過剰摂取のおそれがないことなどを条件に、SR(システマティックレビュー)で臨床試験だけでなく観察研究を使用できる「その他加工食品」として取り扱うことを可能とした。新制度は一部を除く食品全般が対象。食事摂取基準のあるビタミン・ミネラル等は対象外だが、アミノ酸、EPA・DHA、難消化性デキストリン、β-クリプトキサンチンなどは例外として利用できる。
 可能な機能性表示の範囲は、「疾病に罹患していない者の健康の維持及び増進に役立つ旨又は適する
旨」。前段の“疾病に罹患していない者”とは、境界域までを指すとした。消費者庁は説明会で、「最低限
のネガティブリストにしている」と説明。可能な表現リストのリクエストもあったが、「かえって企業の自由な発想を妨げる」ことから見送った。またガイドライン案では、「著作権法上の留意事項」を提示。SRで論文を利用する際は、著作権法に基づく「引用」の範囲を超える場合、著作権者の許諾が必要になると注意を呼びかけた。知財で争いが生じた場合、消費者庁は一切責任を負わないという。
 安全性で最も重要な「食経験」は、摂取集団・形状・方法・頻度、販売期間・量などの項目を企業判断で評価する。摂取期間については「何年以上ならOK」という目安を示すことはできないとした。表現方法は根拠データと連動させる。最終商品の臨床試験であれば、「本品にはAが含まれるので、Bの機能があります」とダイレクトに表示可能。成分SRであれば、「本品にはAが含まれます。AにはBの機能があることが報告されています」と表示できる。
 なお2 日の説明会に落選した企業のみを対象に、19日に追加説明会を行う。公募は行っておらず、当
日参加は不可。新たな機能性表示制度を位置づける食品表示基準は20日ごろに公布される見通し。その後、ガイドラインの“完全版”が示される予定だ。また、食品表示法の施行期日を4 月1 日と定めることが決定。食品表示基準の施行も4 月1 日となり、同日付で「機能性表食品制度」もスタートする。

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