「馬油」市場億円(8%増)、インバウンド追い風
馬油市場は自然志向や本物志向の高まりに加え、高い体感性や天然由来の伝統素材であることなどが再評価され、堅調に推移してきた。
幅広い機能性があり、美容・美肌分野だけでなく、介護やリハビリ分野、スポーツ分野へと販路は広がって
いる。
無添加・純白の馬油100%クリームや石鹸、ヘアルートなどで通販が好調を維持していることに加え、中国人旅行者を中心とした「インバウンド特需」で店販ルートがにぎわいをみせており、2014年の市場規模は前年比8%増の約81億円に拡大した。
その一方で円安によるコスト増と原料不足というリスクも顕在化してきた。
背景には、20年前の約8 割近くまで落ち込んだ馬肉の国内消費量の減少がある。
最新のデータによれば、昨年の国内と殺頭数は1 万3,592頭で、前年から約1,300頭増えているが、消費減傾向に歯止めがかかるかは不透明だ。
原料・OEM各社にとって、良質な原料の安定確保は最重要テーマ。
インバウンドを機に成熟してきた「ジャパンブランド」を確固たるものにするためには、産地の適正表示、鮮度管理・品質対策の強化などと合わせて業界全体の取り組みが求められる。