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【大豆】

機能性表示受理製品も続々
 “畑の肉”とも呼ばれ、日本人の食生活を支えてきた大豆。国民健康・栄養調査でも摂取量は回復基調にあることが報告されており、高い栄養価を誇る大豆の価値が見直されている。
 大豆の食用利用が極端に少ない欧米でも「ミラクルフード」といわれ、生産効率が優れたサスティナブルな食糧・環境の面からも注目を集める。
 東洋新薬、フジッコ、サラダコスモなどの各製品が機能性表示食品として届出が受理されるなど、日本人にとってなじみの深い大豆は改めて脚光を浴びている。


日本人の摂取量増加続く
 アミノ酸バランスで最高値の1.00と非常に優れたタンパク質に加え、食物繊維を豊富に含む大豆。厚生労働省が実施する国民健康・栄養調査では、大豆摂取量の平均値は回復傾向にあり、平成24年版の56.6g/日に比べ、最新の平成25年版は61.8g/日と増加。第一次「健康日本21」で設定された「100g/日」にはおよばないが、平成23年調査と比較すると1 日当たりの摂取量は10g以上も増えている。
 その要因の一つに、テレビや雑誌、新聞で特集が組まれるなど、大豆の栄養価や価値を見直す動きが活発化していることが挙げられる。大塚製薬の『SOYJOY』などの製品は大豆離れが顕著な若年層にも好評で、低糖質、グルテンフリーなどのキーワードのもと、調理の際に大豆粉やおからパウダーを積極的に利用する一般家庭も。豆乳の愛飲者も年々増加しており、豆乳関連企業は軒並み好調。牛乳の代わりに豆乳を使用したソイラテも、コーヒーショップでは定番となっている。このほかにも大豆関連協会・団体、各企業がさまざまな普及活動を行い、大豆業界の発展に尽力。不二製油では「大豆の新しい価値の創造」を提案している。
機能性表示制度も追い風
 今年9 月にはサラダコスモの『大豆イソフラボン子大豆もやし』が機能性表示食品の生鮮野菜第1 号として届出が受理され、話題となったばかり。ほかにも東洋新薬、フジッコなどが受理されており、大豆イソフラボンを関与成分としていずれも「骨」の健康維持を訴求している。
 大豆イソフラボンの一つであるダイゼインが腸内細菌により代謝されることで産生する成分・エクオールも注目を集めている。エストロゲンに似た構造を持ち、シワ改善効果、糖・脂質代謝、血管機能の改善効果が認められており、40代以降の女性に多くみられる更年期症状の改善もヒト試験により確認済み。エクオールを体内で産生できる女性は日本人で約半数であることから、大塚製薬では継続的なエクオール摂取が可能となるサプリ『エクエル』を提案する。食品原料ではマツモト交商がフラボセル®を来春より本格的に供給する。ヘルスケアシステムズが提供するエクオール産生の簡単検査キット『ソイチェック』の利用者も急増中だ。大豆原料の動向では、素材機能研究所が黒大豆種皮抽出物を展開。ニチモウやフジッコなどがイソフラボン、J-オイルミルズがビタミンK2などを扱うほか、大豆レシチン由来の機能性素材『α-GPC』や機能性リン脂質『PS』など、ニーズに応じた各社の素材提案が進んでいる。

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