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機能性表示、見直し議論スタート

 導入から1年も経過しないうちに早くも見直しを含めた議論が始まった機能性表示食品制度。ビタミンなどの栄養成分や、有効成分が明確でないものなど、現行制度が対象外とする成分の扱いが論点となる。検討会の初顔合わせでは、現行制度の問題点を指摘する声が複数の委員から挙がるなど、主要論点以外での問題提起も。今秋までに報告書をまとめるというタイトなスケジュールの中で、そもそもの論点がぶれてしまう懸念がくすぶっている。


 消費者庁は先月22日、「機能性表示食品制度における機能性関与成分の取扱い等に関する検討会」の初会合を開催。制度設計に当たり積み残し課題となっていた①食事摂取基準のある栄養成分、②機能性関与成分が不明確なもの―― の扱いについて議論を開始した。
 制度は15年4 月の施行から2 年をめどに見直す方針が示されているが、この積み残し課題については昨年3 月に閣議決定した消費者基本計画で速やかな検討が求められていたことから、先行課題として議論する。検討会委員は学識者、事業者団体、消費者団体など17人。座長は帝京大学臨床研究センター長の寺本民生氏。
 寺本座長は、健康食品とは何なのかを考えながら、積み残し課題について議論し、まとめていきたいと話した。座長代理に選出された国立健康・栄養研究所の梅垣敬三氏は、特保、栄養機能食品、機能性表示食品の違いをどれだけの消費者が理解しているか、「疑問に思うところがある」とした。初会合では委員の自己紹介を兼ねて、1人数分程度で順番に意見を述べる形で進行した。最初に健康食品産業協議会会長の関口洋一氏は、機能性の評価などに関する4 分科会を設置していることを紹介。安全性確保を第一に、消費者がメリットを享受できる提言ができれば、と述べた。
 日本チェーンドラッグストア協会事務総長の宗像守氏は、制度に「大変期待している」とする一方、安全性担保のレベルをどうするか、と問題提起。米国の実態に関するヒアリングを希望した。適格消費者団体である全国消費生活相談員協会食の研究会代表の澤木佐重子氏は、消費者が自分で判断する力が求められると指摘。一方で「表示項目が多い」との声があることを紹介した。
 日本栄養士会専務理事の迫和子氏は、いわゆる健康食品からエビデンスのあるものを抽出し差別化を図る新制度について「一定の評価をするべきと思っている」と発言。一方で機能性関与成分が不明確なものを追加するのは「時期尚早ではないか」とした。全国消費者団体連絡会事務局長の河野康子氏は、消費者、事業者、行政がこの制度をどう見ているか「明確にすべき」と提言。「事業者はどう受け止めているのか、ぜひお聞きしたいところ」としたうえで、「大前提として、制度の運用状況の確認が必要」と述べた。
 国立医薬品食品衛生研究所の合田幸広氏は、届け出された製品で「分析法が開示されていないのは問題ではないか」と指摘。誰もチェックできず、今後考えていかなければならない問題とした。

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